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いぶし銀の魅力溢れる、ベテランたちの7月場所。
~アラフォー力士、名古屋で旋風を~ 

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byKYODO

posted2014/07/07 10:00

いぶし銀の魅力溢れる、ベテランたちの7月場所。~アラフォー力士、名古屋で旋風を~<Number Web> photograph by KYODO

史上最年長幕内力士としての記録を更新し続けている旭天鵬。一昨年には優勝も果たした。

 大鵬の誇る、前人未踏の幕内最多優勝記録は32回。次ぐ千代の富士は31回。7月の13日に初日を迎える名古屋場所では、大台に乗る30度目の優勝に、29歳の白鵬が挑む。一方、その陰では、ベテランの「アラフォー力士」たちが、いぶし銀の魅力を醸し出している。

 この場所直前に38歳の誕生日を迎える元関脇の若の里が、5場所ぶりに幕内復帰することになった。昨年11月に十両に陥落し、「まだまだ相撲を続けたい。幕内に戻りたい」との一念で、右膝の手術を決意。以後、十分な稽古はできずともトレーニングと「稽古の貯金」で乗り切った。関取在位100場所目となり、実に16年以上にわたって関取の座を保持し続ける「鉄人」と言える。

9月に40歳を迎える旭天鵬のように選手寿命が伸びた。

 その若の里と同期入門の旭天鵬は、今年9月、不惑の40歳を迎える。先場所は西前頭3枚目の地位で3勝12敗と大敗したものの、その体の張りはいまだ衰えず。軟らかくしぶとい相撲が武器で、なによりケガのない、まさに「丈夫で長持ち」な力士だ。その秘訣を訊ねると、「土俵際の相撲でも普段の生活でも、あまり無理をしないことかなぁ」

 そう言って満月のような笑顔を見せるが、歴代最年長記録の書かれた紙片を貼ったボックスティッシュを支度部屋に持ち込み、励みとしてもいる。28歳で引退した、元横綱大乃国の芝田山親方は言う。

「最近の相撲界は年齢層が上がってきている。弟子の若乃島が、今場所29歳で新十両昇進したけれど、30歳前なんて、まだまだこれからじゃないかなと思える。私たちの時代とは違っていますよ」

 ほかにも、先の5月場所を10勝5敗の好成績で終えた35歳の業師・安美錦も、小結に復帰。ガチガチに巻かれた両膝のテーピング姿は痛々しくとも、その意気はますます軒昂だ。「いつ引退してもおかしくはない」と自ら口にするが、昨年4月に結婚。一児のパパともなったのが心の、そして両足の支えとなった。「俺が頑張らないと、かみさんがいろいろ言われちゃうからねぇ」と、細い目をいっそう細め、照れくさそうに笑う。

 栄養状態の充実やトレーニング方法の進化など、その理由は数あれど――平成の世のベテラン力士たちは、それぞれにモチベーションを保ちつつ、角界の“レジェンド”となっていく。

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