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ノア退団で大きな冒険へ。KENTAの船出に期待。
~次なる舞台はアメリカWWE?~ 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

PROFILE

photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/06/15 08:00

会見に丸藤副社長と出席したKENTA(左)。ノア再建半ばでの退団は「悩んだ」と語った。

会見に丸藤副社長と出席したKENTA(左)。ノア再建半ばでの退団は「悩んだ」と語った。

 久しぶりにノアの試合が盛り上がったのを見た。さる5月17日、後楽園ホールで開かれた“方舟のカリスマ”KENTAの壮行試合のことである。リングと観客席がひとつとなり、昨年5月に東京・日本武道館で行なわれた“不滅の王者”小橋建太の引退興行以来の熱狂ぶりだった。

 KENTAは4月30日、丸藤正道副社長同席のもと、ノアとの専属契約終了、円満退団を発表。「今年33歳となり、環境を変えて新しいことに挑戦するのは今しかない」とかねてから抱いていた海外チャレンジへの意気込みをにじませた。

 これをうけてのKENTA、丸藤組×中嶋勝彦、杉浦貴組のタッグマッチは、「プロレスの聖地」がKENTAコールと黄色のテープ一色に染まった。

 ライバル丸藤とコンビを組むのは約3年半ぶり。対峙する中嶋、杉浦はGHCジュニアヘビー級とヘビー級王座を激しく競った間柄だ。それぞれの思いが真っ向からぶつかり合った一戦だった。

 試合はKENTAがジュニア王座で渡り合った中嶋に得意技のgo 2 sleep(担ぎ上げ式顔面ヒザ蹴り)を決めて、28分31秒の熱闘を締め括った。

174cm、81kgの小さな身体で米国マットを席巻できるか。

 '00年5月、全日本でデビュー(丸藤戦)したKENTAは、一般公募のテスト生からトップを極めた。不撓不屈の精神、勇猛果敢さでファンの心を掴んだ選手である。ノア在籍は14年。小橋引退、秋山準ら主力選手の離脱のなか、反体制派のユニット「NO MERCY」を結成し、174cm、81kgの身体でノア・マットの活性化を推し進めた功績は大きい。

 試合後には、マイクなしで四方の観客席に「ありがとう」と頭を下げた。会見の席で「引退するわけではないですから!」と語ったKENTAなりの精一杯のボディランゲージである。

 今後については明言していないが、米国のメジャー団体WWE入りが濃厚だ。GHCジュニア王者を奪ったブライアン・ダニエルソンがWWEのトップ選手として活躍していることに触発されたもので、小さなKENTAの大きな冒険に熱い視線が注がれる。

「またリングで会う。あいつはノアの誇りだよ」とKENTAを送り出すフロントの責任者・丸藤の胸のうちは複雑だろうが、怪我なしの活躍を願うだけだ。

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