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UFC4連勝で世界が注目。水垣偉弥が貫く“我が道”。
~知られざるインテリ総合格闘家~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2014/05/24 06:00

UFC4連勝で世界が注目。水垣偉弥が貫く“我が道”。~知られざるインテリ総合格闘家~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 日本ではまだ知名度はないが、海外では熱い視線を注がれている総合格闘家がいる。現在UFCで4連勝中の水垣偉弥(たけや)だ。「UFC173」(5月24日・米国)で組まれたフランシスコ・リベラ戦に勝てば、日本人ファイターの最多連勝レコードを更新する。

 その件について水垣を持ち上げると、「エッ、そうなんですか? 連勝はあんまり意識していないので」とまるで他人事のような答えが戻ってきた。「いつも必死にやっているだけ。申し訳ないけど、俺が日本を引っ張っていくみたいな意識は全然持っていません。結果を残していると突っ込まれても、そんなに大した結果を残しているとは思っていないので」

 そう言えるのも、価値基準を日本ではなく、“世界”に置いているせいだろう。今回のリベラ戦は全米で放送されるPPV枠に入っている。UFCと契約している選手にとって、PPVで自分の試合が放送されることは王者になることの次にステータスとなりえる。いま、それができる日本人選手は水垣以外にいない。

「その理由は自分が強くなったせいだと信じたいけど、これからが本当の勝負になるかと思っています」

日本での凱旋試合より、ランクが上の相手との闘いを。

 9月20日には1年半ぶりに日本でUFCが行なわれる。当然、水垣も出場を希望していると思いきや、本人の思惑はちょっと違う。「出たい気持ちはあるけど、自分よりランキング(現UFC世界バンタム級7位)が上の選手は米国での試合を希望すると思う。日本大会出場とランキング上位の選手との試合のどちらかを選べといわれたら、迷うことなく後者を選択するでしょうね」

 国内で闘っていた時にはフィジカルに頼っていたが、海外だとそうもいかない。実際に闘ってみたら、自分のフィジカルは並みかそれ以下だと痛感したのだ。

「日本ではタックルを切って打撃で勝負すれば勝てると思っていた。でも、UFCでは自分からテイクダウンに行ったり、相手の意識を散らさなければ勝てなくなってきていますね」

 現在30歳。大学院で電気工学を専攻したインテリは自分の立場をこう例える。

「恐竜の中に放り込まれた草食動物みたいなもの。そうした中で、どうやって立ち向かったらいいか。その明確な答えがわかったら、もうひとつ上にいけるはず」

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