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楽天の“ラテン系”右腕、
福山博之が背負う期待。
~DeNA戦力外から中継ぎエースに~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

PROFILE

photograph byNanae Suzuki

posted2014/04/25 10:00

DeNA時代の登場曲は北島三郎『まつり』。172cmと小柄だが、最速150kmを投げる。

DeNA時代の登場曲は北島三郎『まつり』。172cmと小柄だが、最速150kmを投げる。

「去年の優勝の勢いが残っていて、チームに勝ち癖があるのが大きいよ」

 この春、キャンプ地の久米島で会った楽天・星野仙一監督は意外にサバサバとしていた。普通であれば、24勝0敗の田中将大が抜けた投手陣のやり繰りに頭を抱えるところ。だが2年目の森雄大、ルーキーの松井裕樹ら新戦力の台頭に、それ以上の期待感を抱いている様子だった。

「誰かが欠ければ、誰かが出てくる」と言うその口ぶりには、余裕が感じられた。

「鉄は熱いうちに打て」ではないが、野球の世界でも「優勝の熱があるうちにもう一度優勝しないと、強いチームはできない」と言われる。“投手王国”を築くためには今季が勝負だと、監督17年目を迎える指揮官は十分承知しているはずだ。

 だが、開幕から則本昂大、塩見貴洋、辛島航、美馬学、そして松井、森で回している先発ローテーションは万全とは言えず、17試合を終えて8勝9敗。今オフ、大量補強を敢行したソフトバンクの対抗馬筆頭としてはいささか物足りないスタートとなった。

星野監督が「今、うちの中継ぎでは一番」と目を細める。

 そんな中、中継ぎで新たに頭角を現してきた投手がいる。一昨年DeNAを戦力外になった4年目の福山博之だ。4月6日のソフトバンク戦で同点の8回に登板し、内川聖一、李大浩の中軸を抑えて初勝利を手にした。星野監督が「今、うちの中継ぎでは一番」と目を細める存在だ。

 北島三郎似ということで愛称は“サブちゃん”。カラオケの唄いっぷりもよく、ラテン系の明るい性格で、ジョーンズ、ユーキリスの両外国人にはスペイン語で話しかけられるという。

 昨年は22試合に登板して0勝0敗1ホールド、防御率4.41という成績だったが、「強いボールが投げられて、投げっぷりがいい」と星野監督の評価は高く、春から佐藤義則投手コーチの指導の下でじっくりとフォームを固めてきた。

 その佐藤コーチは今後の青写真をこう語る。

「経験の少ない福山にはあまり連投はさせず、(週5試合で)登板間隔の空く交流戦期間中に、下半身を鍛えたい。松井と森に関してもオールスター期間中にじっくり鍛えて、秋に備えさせたいんだ。そうすれば、秋も十分に戦えると思う」

 勝負の秋に、連投する福山の快投が見られるか。首脳陣の期待は大きい。

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