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独走するメルセデスが
新規定に適応できた理由。
~トルク性能、燃費性、柔軟な技術~ 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byHiroshi Kaneko

posted2014/04/16 10:00

独走するメルセデスが新規定に適応できた理由。~トルク性能、燃費性、柔軟な技術~<Number Web> photograph by Hiroshi Kaneko

 パーフェクトな走りで、開幕からライバルに1周たりともトップを譲ることなく、メルセデス・チームが2連勝をおさめた。初戦オーストラリアGPはN・ロズベルグが、第2戦マレーシアGPはL・ハミルトンが終始、首位を独走。まさに無敵の完全制圧と言っていい。

 第2戦では、1955年のイタリアGP以来、59年ぶりの1-2フィニッシュ。コンストラクターズでも首位に立った。2戦合計68点は昨年同時点の首位レッドブルを越えている。また同様に、ロズベルグのドライバーズ計43点もS・ベッテルを上回る。

「PU106Aハイブリッド」と名付けられた新'14年パワーユニット(PU)は他社ルノー、フェラーリを凌駕する性能をコース上で見せる。1600ccターボ+エネルギー回生システム(ERS)が生み出すパワーもさることながら、優れているのはそのトルク特性だ。

 昨年までの2400ccエンジンは、1万8000回転がリミットで“パワー追求”を志向。今年の新PUは1万5000回転に制限されたため、メルセデスはそれより低めの1万2000回転レベルでの“トルク追求”志向に転換した。今年8速となったギア比の設定にもマッチさせ、コーナー立ち上がりや、ストレート中間加速で速さを誇示している。

マシンの特性を生かし切ったハミルトンのドライブ。

 また開幕前から注目されていた、レース距離を燃料100kgで走破する燃費性能面の管理も万全だ。それは第2戦にハミルトンが最速ラップをゴール3周前に記録していることからも分かる。

 コースサイドで観察すると、ハミルトンはその高トルク特性に合わせこみ、ドライビングを柔軟に修正している。2戦ともにウェットとなった予選では、滑りやすい路面条件で巧みなアクセルワークによって連続PPを獲得。ロズベルグがリアのスライドとブレーキングの不安定さを訴えたのに対し、「ファン・トゥ・ドライブ」と自信をちらつかせた。もともと一発の速さに定評があった彼が決勝ではタイヤに優しく、安定したロングラン・ペースを持続してみせた。

 '14年新規定下でドライビングを進化させたハミルトン。メルセデス・チーム移籍2年目に彼自身6年ぶりとなるタイトルを狙う。レジェンド復活に向け、名門メルセデスが進撃を開始した。

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