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観客を魅了する町田光の
“居合パンチ”に注目。
~キックボクサーの奇抜な一撃~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

photograph bySusumu Nagao

posted2014/03/15 10:30

観客を魅了する町田光の“居合パンチ”に注目。~キックボクサーの奇抜な一撃~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

昨年4月にREBELSデビューを果たしたばかりだが、独特の戦法で一躍人気の選手に。

 他のキックボクサーのように前足でリズムをとりつつ、アップライトに構えたりはしない。サヤから刀を抜きとるような姿勢になった時が攻撃のGOサインだ。REBELS60kg級王者・町田光が注目を集めている。十八番は居合の姿勢から繰り出す居合パンチ。一見トリッキーな攻撃にも映るが、町田にとっては全てが理に適った動きだという。

「もしかしたら僕の構えはスキがあるように見えるかもしれません。でも、ガードが上がっていれば安全かといえば必ずしもそうではないと思う。要は攻撃を出しやすかったり、避けやすかったりすればいいことじゃないですかね」

 かつては魔裟斗のような激しく打ち合う闘いに憧れていたが、途中で自分に合うスタイルは違うんじゃないかと疑問を抱いたことが個性派に転身するきっかけだった。理想は同業者ではなく、合気道の達人として名を馳せる塩田剛三だ。

「打ち合いではなく、相手の力をいなしてスコーンと倒す。キックでも塩田先生のように力を使わないで倒したい」

「斬鉄拳」、「華炎」……レパートリーは増える一方!

 練習の合間にはイラスト入りのノートをつけるなど大の研究家。努力の甲斐あって、最近は居合の振りかぶりからフックを放つ「斬鉄拳」、ミスブローしたと思いきやそのまま一回転しながら打ち込む「華炎」など、居合パンチのレパートリーは増える一方だ。1月26日に行なわれたヒロ・ヤマニワ戦では新必殺技「天上天下」を披露した。片手を頭より高く、もう一方の手を地面と接するくらい低く構え、対戦相手が前に出てきたらカウンターの一撃を加えるという奇想天外な荒技だ。果たして町田は2Rに天上天下からのヒザ蹴りでヤマニワをKOした。

 強さの秘訣は試合や練習で背筋を伸ばした姿勢を保つこと。取材時も、姿勢の良さが目についた。

「フォームや軌道も大事だけど、それは枝葉の部分。一番大切なのは姿勢でしょう。正しい姿勢を身につければ、体幹も強くなる。姿勢を意識するだけで、スパーリングをやる効果も違いますからね」

 インターバルになると、コーナーに用意されたイスに座るのではなく、正座して精神統一を図る町田。4月20日にはサンドバッグは練習に取り入れないなど関西の異端児として評判の高いヤスユキとの個性派No.1決定戦に臨む。

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