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ヤクルト浮上のキーマンは、
宮本慎也の引退を早めた男。
~川端慎吾、今季こそフル稼働を~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/02/17 06:10

ヤクルト浮上のキーマンは、宮本慎也の引退を早めた男。~川端慎吾、今季こそフル稼働を~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

和歌山商高では春夏1度ずつ甲子園に出場し、高校通算33本塁打。今年は三塁が定位置に。

 期待されながら、毎年のように怪我に泣く選手がいる。東京ヤクルトの内野手・川端慎吾がその一人だ。'10年からレギュラーに定着したが、右太もも筋挫傷や腰痛に泣かされた。「今年こそ」と臨んだ昨季も開幕直後に左足首を手術し、復帰したのは7月9日。小川淳司監督を「アイツがいたら、と何度も思った」と嘆かせた。実際、復帰後の70試合で打率3割1分1厘、5本塁打と活躍している。新人王で最多勝投手の小川泰弘と、リーグMVPで本塁打王のバレンティンを擁しながら、まさかの最下位に沈んだ東京ヤクルトだが、それは川端がいなかった前半戦の成績が響いたものだったと言えるかもしれない。

 それだけに、川端が今季にかける思いは人一倍である。キャンプ地となる沖縄・浦添に先乗りし、1100g(試合用は910g)のマスコットバットを1日1000スイング振り込んだ。振って下半身を作る、という原点回帰だった。

「3番・川端」が機能すればバレンティンもさらに輝く。

 そんな川端にとって嬉しい話がある。ヤクルト時代に青木宣親、横浜(現DeNA)時代には内川聖一と左右の首位打者を育てた杉村繁コーチが、一軍に復帰することになったのだ。川端は杉村コーチから、「痛みがあるのに無理をすると、また怪我をする。今年は休むことも練習の一つだと身体で覚えて欲しい」という注文を受けている。それが出来さえすれば、通年レギュラーで出場できるはずだ。

 今年で9年目を迎えるだけに、自分の置かれている立場も十分わかっている。打順はバレンティンの前を打つ3番だ。「敬遠されることはない。相手が勝負してくる以上は、塁に出てくれと監督から言われています」と自覚している。そのバレンティンは昨年、打率3割3分、60本塁打ながら、打点は131と物足りなかった。その原因の一つは、彼の前を打つ打者の出塁の少なさであっただけに、キャンプに合流したバレンティンがいの一番で「今季はよろしく」と握手したのが川端だったというのも無理はない。今季もタイトルを獲って、オフの逮捕騒動の汚名返上を果たすには、川端の“援護射撃”も重要になってくるのだ。

 昨年引退した宮本慎也には、「お前の成長が俺の引退を早めた」と声をかけられたという逸材。その言葉が本物かどうか、今季の川端の飛躍に期待したい。

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