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<私が今日も走る理由> 1300年で2人のみ! 千日回峰行満行の大阿闍梨 ~塩沼亮潤さん~ 

text by

山田洋

山田洋Hiroshi Yamada

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photograph byAtsushi Kondo

posted2014/04/26 10:30

<私が今日も走る理由> 1300年で2人のみ! 千日回峰行満行の大阿闍梨 ~塩沼亮潤さん~<Number Web> photograph by Atsushi Kondo
ウェアに着替え、お気に入りのシューズを履いて、
今日も当たり前のように駆け出す――でも、なぜ?
何がわたしたちを「走る」というシンプルな行動へと
駆り立てるのだろう? 走ることで何を得ているのだろう?

2014年1月発売のNumber Do Winter『私が今日も走る理由』より、

悟りを求めて1300年で2人目となる強烈な修行をした
大阿闍梨・塩沼亮潤さんのインタビュー記事。
全文が読みたいという声にお応えして、
雑誌にも収めきれなかった完全版を公開します。

 千日回峰行という言葉を聞いたことはあるだろうか? もしくはマラソンモンクは?

 千日回峰行とは、数ある仏教の修行の中でも荒行中の荒行と言われ、比叡山や吉野・大峯山の山中を、悟りを求めて1000日歩き続けるというもの。海外のトレイルランナーたちも回峰行者のことを「マラソンモンク」と呼び、尊敬と畏怖の眼差しを向けている。

 塩沼亮潤大阿闍梨。'99年、大峯山1300年の歴史の中で2人目となる千日回峰行を満行し、その翌年「断食・断水・不眠・不臥」を9日間続ける『四無行』も満行している生き仏だ。

直感的に「これをやりたい!」って思った。

ランニング歴は?

約25年

週何回走ってる?

1回

1回に走る距離は?

2、3km

よく走るコースは?

仙台にある慈眼寺の周り。山に囲まれた土地なんです。

1968年、宮城県生まれ。仙台市太白区に慈眼寺を'03年に開山し、住職となる。

「小学校5年生の時、NHKで比叡山の千日回峰行を満行された酒井雄哉さんの番組を見たんです。その時、直感的に『これをやりたい!』って思った。小さい時に母親から『人のためになる人間になりなさい』と教育を受けてきて、いつか人々を救いたいという純粋な目標がありました。そのためには自分を極限まで追い込み、何かを得ないといけないと思っていたんです。この番組を見て、半端なことでは人を救うことなんて出来ない、と。本気でそうなりたいと思っていました。なぜ、小さい頃からそんな問題意識を持っていたのかは自分でもよく分からないんですけどね」

 少年期のこの思いは幾つになっても衰えることはなかった。高校時代、学校までの往復8kmを毎日走っていたのも千日回峰行を意識していたからだという。

 高校卒業後、吉野で小僧生活をしていた4年間も日々ランニングを欠かしたことはない。ただ単に満行するのではなく、一日たりとも後悔ないように行ずることを目指し、距離は日によって違うが、千日回峰行で歩く山道を1時間ほど走っていた。

【次ページ】 深夜11時30分に起床、まず滝行を行う。

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