オリンピックへの道BACK NUMBER
自身が一番分かっているソチの遠さ。
安藤美姫、関東選手権の笑顔の意味。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2013/10/15 11:45
関東選手権FP終了後、疲れた表情で笑顔を浮かべた安藤。彼女の眼にソチ五輪への道はどのように見えているのだろうか。
どれだけ厳しい道なのか、本人が一番理解している。
カメラマンのみが入場を認められた表彰式のための部屋へと向かうときには、知人と、おそらくは「超疲れた。朝から足、動かなかった」という意味合いの言葉を交わし、疲れを認めながらも明るく会話できていた。表彰式の場でも終始笑顔で、他の選手と談笑する姿が見られた。
大会期間中、各種メディアへの取材対応を行なわなかった安藤は、終了後、書面でコメントを発表している。
「今回、沢山の観客の方や報道機関の方においで頂いたこと、本当にうれしく思います。
今回の演技は、ショートプログラムを重視して練習してきました。フリーの演技に関しては、久しぶりの国際試合の疲れを残してしまい、課題も残る2日間になりましたが、ドイツとこの試合を経て今の自分に何が足りないかが明確になったので今後につながる良い試合になったと思います。
今後は皆様の心に残る演技をお届けできるよう努力していきたいと思っています。
表彰式の後、演技を残している選手たちがいらっしゃいますのでこのような形でお伝えいただきました。
今後ともよろしくお願いいたします」
当の本人が何よりも険しさを理解し、その上で挑んだ道であることをしっかりと自覚している――。
試合後の明るさは、周囲にそう感じさせるに十分なものだった。
11月1~4日の東日本選手権で6位以内に入ると、安藤美姫は全日本選手権へと進むことになる。