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春のリベンジに燃える、
福永&エピファネイア。
~10・20菊花賞の“大本命”~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byYuji Takahashi

posted2013/10/16 06:01

春のリベンジに燃える、福永&エピファネイア。~10・20菊花賞の“大本命”~<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

神戸新聞杯では2着マジェスティハーツに2馬身半差をつけて完勝。重賞2勝目を挙げた。

 菊花賞トライアルの神戸新聞杯(阪神芝2400m、G2)は、単勝1.4倍の断然人気の支持を集めたエピファネイア(牡3歳、栗東・角居勝彦厩舎)が期待通りの快勝劇を演じた。

 皐月賞、ダービーともに惜敗の2着に甘んじたのが同馬。大きな課題とされていたのは人馬の折り合いだったが、まさにそこで著しい進境を証明できたのは何よりの収穫だったに違いない。

 春、二度も悔し涙を流した福永祐一騎手の喜びが格別なのも当然で、レース後もしばらくの間、興奮を抑えられない様子だった。「めっちゃうれしいです。こういう超一流のパワーがある馬を乗りこなせずに騎手を続けていいのかと思って取り組んでいたんです。今日の競馬ではそれができた。やっとできたんです」と、つかみ取った達成感を包み隠さず吐露したのだ。

 騎手を続けていいのか……という表現はいささか大げさに聞こえるかもしれないが、福永の場合、決してそんなことはない。

キズナ、ロゴタイプ不在の中で菊花賞は負けられない!

 いまから6年ほど前、ちょうど30歳の区切りを迎えた頃の福永は人知れず自らの技術の停滞に悩んでいた。「これ以上うまくなれないのなら、ダラダラ騎手を続けるより辞めて調教師転身の準備に入った方がいいのでは」とまで思い詰めていた。

 悩んだ結果として彼が取り組んだのは、フォーム改造のための専属コーチを外部から探し出したこと。そのコーチは馬に乗ったことがない人で、馬の動きと騎乗者の動きを分析してアドバイスする手法であることがわかると、関係者の中には「あいつはなにをやっているんだか」と、口に出してあきれた表情を向ける人もいたという。

 大胆な行動で壁を乗り越えた福永に、もう一度大きな壁として立ちはだかったのがエピファネイアという怪物だったわけで、「乗りこなせた!」は文字通りの心の叫び。ダービー馬キズナが欧州遠征で不在、皐月賞馬ロゴタイプが脚部不安でリタイアしているいま、菊花賞(10月20日、京都芝3000m、G1)は、福永&エピファネイアの独壇場となることも約束された。敵はトライアルにはいない。角居厩舎の隠し玉、フルーキーがどこまで迫れるかだと予想している。

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