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王貞治会長も太鼓判。
細川は「30本打てる素材」。
~ソフトバンク大型補強の思惑~ 

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永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/12/14 06:00

王貞治会長も太鼓判。細川は「30本打てる素材」。~ソフトバンク大型補強の思惑~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

 今年のFA市場の主役はソフトバンクである。7年ぶりにパ・リーグを制しながら、日本シリーズ進出に失敗したことが補強に動く要因だろう。王貞治会長が主導し着々と選手を獲得している。

 まずはFAの手を上げた西武の細川亨。強肩はお墨付きだし、ここ数年、杉内俊哉、和田毅らが手痛い一発を喰らっている強打者だ。今季は1割9分1厘、8本塁打と低迷したがソフトバンクサイドとすれば、長打力は魅力。4年契約で2億5千万円から8億円という、成績に応じて支払われる額が変動する契約を交わした。

 もう一枠は地元、九州・大分県出身の内川聖一。第2回WBCで、王会長の目の前で見せたスライディングキャッチ、右方向へのチームバッティングの素晴らしさは実証済み。今季は3年連続で3割をマークし、3年連続最下位チームの中でひとり気を吐いた。内川も4年契約総額12億円で契約間近と聞く。この他にも多村仁志が4年契約総額8億円、さらにソフトバンク戦で4割5厘、9本塁打をマークしたオリックスの主砲、カブレラも2年8億円で狙っているという。

和田、川崎がメジャーへ去る前に日本一を目指す。

 各球団が緊縮財政の中、景気のいい数字が並ぶのは「何としても来年は日本シリーズ出場」という思いが強いためだろう。来季終了後には和田毅、川崎宗則のメジャー挑戦が囁かれており「万全な状態の内に、日本一になってオーナーに恩返しを」という王会長の思いが強く伝わってくる。「あとひとつ勝てなかったのは、現場だけの責任ではない」という王会長の言葉がよく分かる補強だが、実は松中信彦、小久保裕紀ら、生え抜きの刺激にしたいという思惑も見え隠れする。

 ソフトバンクは城島健司が抜けて以来、捕手が育っていなかった。田上秀則、山崎勝己の併用で戦ってきたが、打撃が良ければリードが今ひとつ、リードが良ければ肩が不満、と帯に短し襷に長しの状態が続いてきた。その点、細川の加入は効果的。'08年、西武日本一の時には16本塁打を放ち、王会長は「30本を打てる素材」と言う。加えてリードにも定評があり、岸孝之らは「ボール球を振らせられる」細川のリードで蘇ったこともある。

 これだけの戦力を整えてもらって、もう後がなくなった秋山幸二監督。だが日本一を知る女房によって救われる日は、そう遠くなさそうだ。

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