SCORE CARDBACK NUMBER

古豪・磐田に忍び寄る、
悪夢が現実になる日。
~奇跡のJ1残留は茨の道~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2013/10/03 06:00

第26節終了時点で3勝13敗10分。まさかの展開に、サポーターも必死に勝利を願い続ける。

第26節終了時点で3勝13敗10分。まさかの展開に、サポーターも必死に勝利を願い続ける。

 昨季のG大阪のインパクトが強すぎたせいか、もうひとつ大きな話題にはなっていない。だが、今季もJ1優勝の実績を持つクラブがまた、J2降格の危機にさらされている。現在(第26節終了時)、17位に沈む磐田である。

 確かに、今季の磐田が低迷していることに、開幕前には優勝候補に挙げられていた昨季のG大阪ほどの意外性はない。実際、磐田は'02年の優勝をピークに成績がジワジワ降下。近5年の順位を見ても、16、11、11、8、12位と、一桁順位だったのは'11年の一度しかない。'08年には、現行規定なら自動降格となる16位に終わっている(入れ替え戦で残留)。

 だが一方で、過去の実績全体を見れば、G大阪以上に「まさか」の印象が強いのも事実。特に'97年からの7年間は優勝3回、2位3回を誇り、中山雅史、藤田俊哉、名波浩など多くの名選手を輩出した。宿敵・鹿島と繰り広げた数々の名勝負は、今でも語り草となっている。

 そんなJリーグを代表するクラブが、J2へ降格しようとしているのだ。

残り8試合、残留圏内との勝ち点差は過去最大の「10」。

 低迷の要因としてエース前田遼一の不振が指摘されがちだが、チーム総得点はさほど少なくない。むしろ勝負どころでの不用意な失点が足を引っ張り、引き分けを増やしている。勝ち切れない試合が続く状況は、まるで昨季のG大阪。また、降格危機になりふり構わず残留を目指すよりも、将来的なクラブ再建をも見据えた監督交代を行ない、結果、事態が好転しない様子は、昨季の神戸を思わせる。

 もちろん、J1残留の可能性がないわけではない。18クラブによる1ステージ制となった'05年以降、残り8試合の時点で17位だったクラブが、残留圏内の15位に順位を上げたケースは、'07年大宮と'12年新潟の2例がある。

 しかし、17位磐田(勝ち点19)と15位甲府(同29)との勝ち点差10は過去最大。例えば、17位から奇跡の残留を遂げた昨季の新潟にしても、同時期の15位大宮との勝ち点差は4しかなく、最終的に降格する13位神戸との勝ち点差でさえ7しかなかった。混戦だったからこそ起きた逆転劇であり、数字のうえでは、磐田の残留は絶望的に近い。

 かつてはJリーグ史上最強とも称され、黄金時代を築いた強豪クラブの落日は、刻一刻と迫っている。

関連コラム

ページトップ