NumberEYESBACK NUMBER

仕事人を揃えた早稲田、
劇的復活で2冠を制覇。
~箱根駅伝Vへの課題とは?~ 

text by

折山淑美

折山淑美Toshimi Oriyama

PROFILE

photograph byJun Tsukida/AFLO

posted2010/12/03 06:00

仕事人を揃えた早稲田、劇的復活で2冠を制覇。~箱根駅伝Vへの課題とは?~<Number Web> photograph by Jun Tsukida/AFLO

 1区から突っ走り、全6区間中4区間で区間賞を獲得して優勝した10月11日の出雲駅伝から4週間。やはり今年の早稲田は強かった。

 11月7日に名古屋-伊勢間で行なわれた全日本大学駅伝。優勝候補の早大は、絶対的自信を持っていた1区のスペシャリスト・矢澤曜が、9位に沈む予想外のスタートとなった。

 1年生・設楽啓太の快走で、早大に46秒差のトップに立った東洋大の2区はエースの柏原竜二。順当ならそのまま東洋大が主導権を握る展開だった。今季初の駅伝で、走り出した直後から「体が重くて走りがおかしいと感じていた」と言う柏原だが、最初の3kmを8分31秒で通過するなど、タイム差とその後のメンバーをみれば東洋大有利の状況だった。

 だが、そんな柏原の走りのズレを突いたのが、1年生ながら2区に起用された大迫傑(写真)だった。スタート直後から積極的に前の大学を追いかけて2位集団に追いつき、そのまま単独2位に。3km通過は柏原のペースに少し遅れる8分33秒。そこからは序盤のツケが出てペースが落ちた柏原を追い込み始め、9km付近で20秒を切るまで迫ったのだ。最後は柏原の粘りで26秒差となったが、この区間で東洋大追撃の流れを作った。

絶対的エース不在も、質の高い走りをする選手が多い早大。

 3区の八木勇樹はその差を5秒広げられたが、4区の佐々木寛文が追いついて1秒差のトップに。その後は5区の志方文典と6区猪俣英希がジワジワと差を広げ、東洋大7区渡邊公志のブレーキを呼び込み、2位に上がった駒大に2分20秒差をつける圧勝劇を演じたのだ。

 各区間の記録をみれば、1区矢澤以外は区間3位以内と安定。さらにメンバーも4年は6区猪俣のみで、3年前に高校トップを争った八木、矢澤、三田裕介、中山卓也を入れて以来、毎年有力選手を入学させてきた成果が出てきた状況だ。

 だが、かつて東洋大監督だった川嶋伸次氏はこうも評価する。

「以前の早大の強い選手といえば個性が強くて華やかな感じだったけど、今はけっこう控えめな選手が多くなりましたね。特に全日本では大迫と佐々木が周りに惑わされることもなく、自分の走りに徹しているのを強く感じた。絶対的なエースはいないが、競技に対してもひたむきで積極的な質が高い走りをし、淡々と自分の仕事をしている感じの選手が多くなったと思います」

【次ページ】 箱根3連覇に挑む王者・東洋大を超えるには?

<< BACK 1 2 NEXT >>
1/2ページ
関連キーワード
RUN特集
箱根駅伝

ページトップ