私とDo 特別編BACK NUMBER

<私とラン> 東洋大学駅伝部 「3連覇のプレッシャーを乗り越えて」 

text by

NumberDo編集部

NumberDo編集部Number Do

PROFILE

photograph byAtushi Hashimoto

posted2010/12/02 06:00

<私とラン> 東洋大学駅伝部 「3連覇のプレッシャーを乗り越えて」<Number Web> photograph by Atushi Hashimoto
いま全国で多くの大人がランに目覚め、汗を流し始めています。
走る目的もスタイルも、それぞれに異なる大人たち。
Numberが初めて一冊まるごと「Doスポーツ」を特集した「Number Do」では、
連続インタビュー企画「私とラン」で、彼らの「走る」を覗いてみました。
Number Webでは、雑誌未収録部分も掲載した「私とラン」特別版を公開。
第6回は、箱根駅伝3連覇を目指す東洋大学駅伝部の酒井俊幸監督に、
ランと駅伝にかける思いを語っていただきました。
<酒井俊幸監督>
34歳、福島県出身。東洋大時代に3回箱根に出場。コニカミノルタ、高校教員を経て、'09年監督に就任

 私にとって走ることとは、自分との対話です。今もほぼ毎朝走っているのですが、走りながら選手の区間配置や練習の方向性などを考えますね。練習メニューを作るにも、単に自分の現役時代の経験を押し付けるのではなくて、今、自分で走っている感覚を大事にしたい。だからクセを知るためにも合宿のコースは必ず走ります。

 大学にいるときも、朝、ゆっくり走ったり、歩いたりしながらスタッフと一緒に打ち合わせしていますね。周回コースを走っている選手の顔を見ながら、身体の状態を見たり、顔色をのぞいたりして、情報を共有します。

 今は子どもが小さいので睡眠時間が適当になってしまったりしていますが、少し落ち着いたら、またフルマラソンを走りたいな、と。同級生の藤田敦志くん(富士通)なんかはまだ現役で頑張っているので、その姿を見ると刺激を受けて自分でも走りたくなりますね。

箱根はただ走れば速くなるというレベルではないんです。

 また、走らないとどうしても我慢を忘れてしまいます。走っていて「もう少し」「あそこまで」と我慢しながら、ゴールにたどりつく達成感は何ものにも代えがたい。我慢が快感になってくるというか(笑)その感覚は常に持っていたい。

 走ることが身近にあるという意味では、この仕事は天職です。ここにいる子は走るのが好きだし、それが特技だという子たちです。その子たちに走ることを通じて、己を知って欲しい。長所・短所を自覚して、自らの身体に意識的になってもらいたいです。

 箱根はただ走れば速くなるというレベルではないんです。コツコツ走ることを1年間、もっと言えば4年間継続していかないと、20km走れる選手に成長しません。地味でも20kmをしっかりと走れる選手を育てることを、ウチの大学の強みにできるように、指導していきたいです。

今季一番の収穫は、前回メンバーから外れた3年生の川上。

 今季もチーム作りはおおよそ順調にきています。エースや準エース格の選手が若干出遅れていますけど、全般的にはまずまずです。前回6区を走った2年の市川孝徳が成長しました。

 そして一番の収穫は3年生の川上遼平です。前回は箱根メンバーを外れたのですが、その悔しさを冬季練習にぶつけてがんばった。怪我が多く、素質を生かしきれていなかったんですが、走るための準備をすごく念入りにするようになって自分の身体のことや自分の走りがわかってきたんじゃないですか。5000mでは柏原のタイムを抜きましたしね。

【次ページ】 夏に怪我をした“新・山の神”柏原の仕上がりは?

<< BACK 1 2 NEXT >>
1/2ページ
関連キーワード
私とラン

ページトップ