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ポスト藤川球児の19歳、
松田遼馬が虎を救う秋。
~ベテラン顔負けの勝負度胸~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2013/09/10 06:01

ポスト藤川球児の19歳、松田遼馬が虎を救う秋。~ベテラン顔負けの勝負度胸~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

ドラフト5位で入団。「(同い年の2位・歳内宏明と)年俸が200万円も違う」と悔しがった。

 追いかけるチームには必ず無理がかかるものだ。早めの投手リレーを余儀なくされるために、特に中継ぎ、抑えに負担がのしかかる。リーグ制覇のために無理を強いた代償として、翌年は救援陣が不調に――。この20年間で連続日本一を達成したチームがないのは、そういった事情が一因としてないだろうか。

 今季、巨人の背中に追いすがる阪神の黒田正宏ヘッドコーチも「中継ぎの福原忍、安藤優也、加藤康介に無理をさせている。1年持ってくれるかどうか」と不安を漏らしていたが、ここに来て、彼らベテランに代わる頼もしい存在が現れた。

 長崎・波佐見高校から入団2年目の19歳、松田遼馬が7月13日のDeNA戦で一軍デビューを果たすと、8月27日現在、17試合に登板して19イニング無失点という活躍を続けている。

 昨年、フェニックス・リーグが行なわれていた宮崎で、MLBに移籍した抑えのエース藤川球児の後釜として、速い球を投げられて試合度胸のある投手を中西清起投手コーチが物色していた。そこで白羽の矢が立ったのが松田だったという。

「藤川を見た時と似たものを感じた。内角を思い切ってつける度胸が良い。いきなり抑えは無理でも中継ぎで育てたい」

同郷の久保二軍チーフコーチと約束した“ご褒美”を得るために。

 短いイニングに力強い球を投げられるよう、今年のキャンプでは下半身主体のトレーニングに励み、オールスター明けの“ふ化”を目指して育成されてきた。

 長崎出身の松田にとって幸いだったのは、今季から二軍チーフコーチを務める久保康生が福岡出身だったということだ。

「同じ九州人の気質がわかってもらえて、色々相談に乗ってもらいました。一軍できちんと働いたら、ゴルフのクラブセットを一式もらうことになっています。今は自分が戦力になっていると思うだけで、毎日が楽しくて仕方ない」

 と俄然やる気になっている。

 最近の松田の力投に、一軍投手コーチの山口高志も目を細める。

「今どき珍しいほどのハングリー精神の持ち主で、人の言うことを素直に聞く。アイツは勢いがあるし、秋になって、鞭が入ったときに楽しみになってくる」

 既にシーズン終盤の追い込み時の勝ち試合での起用を考えているのだ。

 9月に入り、イキの良い投手がいる阪神の追い上げに期待が持てそうだ。

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