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女子高生キックボクサー
神村エリカが抱く決意。
~11月14日、世界二冠はなるか?~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

photograph byYoshiyuki Mizuno

posted2010/11/09 06:00

女子高生キックボクサー神村エリカが抱く決意。~11月14日、世界二冠はなるか?~<Number Web> photograph by Yoshiyuki Mizuno

 その痛烈な左ミドルキックを見たら、「女子だから」という偏見は吹き飛んでしまう。素顔はお化け屋敷を怖がるビビリの高2ながら、神村エリカは突出した強さと際立った存在感を見せてくれるキックボクサーだ。現在はWPMF世界ミニフライ級王座とJ-GIRLS同級王座を保持し、通算戦績は15戦14勝(4KO)1敗。ミドルキックやローキックで相手を圧倒する戦法を得意とする。

 女子キックのルーツを辿れば、30年以上前に遡る。黎明期は明らかに“色モノ”として扱われていた。全身から殺気を漂わせる神村を目の当たりにしたら隔世の感がある。現在は女子だけの大会も増えたが、神村は「自己満足で終わっている選手も多いと思う」と言い放つ。

「女子だけの大会でやると、そのレベルの中で見てもらえるから楽。でも、ハッキリいって、国内ではもう相手がいない。今は男子の中でやって、どれだけ注目されるかが課題だと思っています」

「最近になって、ようやくAKB48の存在を知りました」

 今年は4戦4勝(1KO)。そのうち3試合は男子大会での闘いだったが、なんら違和感はなかった。むしろ、一部の男子の試合を気持ちの出方で食っていたほどだ。その理由を訊くと神村は、男子より練習して、自分が女子キックを牽引しなければならないことを自覚しているからと声を大にした。

「女子キックは、まだ世間に認められていない。だったら、みんなに認められた上で、しっかりと結果を残す選手になりたい。そして、未来につなげないと」

 実績を残した上での主張だけに説得力がある。11月14日のM-1東京大会では、男子の試合が10試合以上組まれる中でメインイベントに抜擢された。神村はナムワン(タイ)と空位のWMC世界女子ミニフライ級王座を争う。勝てば、WPMFと併せ世界二冠王だ。

「ムエタイの選手らしく、ナムワンは首相撲と蹴りが得意なタイプ。体も私より一回り大きい。けれど、彼女に勝たないと次のステップに進めないので、120%勝利を掴みたい」

 次の試合に向けて練習を連日、朝昼晩の3回もしているため、世俗には疎い。テレビもほとんど見ない。

「最近になって、ようやくAKB48の存在を知りました」

 17歳の可能性は無限に広がっている。

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