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田中健太郎/極真会館 
「最強の空手家の侘しい食卓」 

text by

芦部聡

芦部聡Satoshi Ashibe

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photograph bySatoshi Ashibe

posted2010/11/10 06:00

田中健太郎/極真会館 「最強の空手家の侘しい食卓」<Number Web> photograph by Satoshi Ashibe

全日本連覇のあかつきには「百人組手に挑戦したいです」

――独り身の侘しさと闘い続ける孤高の空手家――

 1970年代に一大ブームを巻き起こした極真空手は、数多の伝説的な猛者を輩出してきた。“ケンカ十段”芦原英幸、“熊殺し”ウィリー・ウィリアムス……。ガキのころに梶原一騎原作の劇画『空手バカ一代』に感化された中年世代の頭には、「地上最強の格闘技=極真空手」との公式が刷り込まれている。

<朝> 鮭のハラス焼き、ニンニクの芽とまいたけの炒め、ナスとミョウガの浅漬け、ごはん、味噌汁

 極真会館川崎中原支部の田中健太郎支部長は、昨年のオープントーナメント全日本空手道選手権を制覇し、11月20・21日に開催される第42回大会でも連覇をねらう剛の者だ。どれほどいかつい男なのだろうかと内心びくびくしていたが、マンションのドアを開けてくれたのは妙齢のかわいらしい女性。たしか独身のはずだが、英雄色を好むというし……。

「そんなんじゃなくて、妹ですから!」

 シャワーで濡れた髪をタオルでごしごし乾かしながら、田中さんは大きくかぶりを振って否定した。

「ふだんは朝稽古のあとに自分で食事の用意をするんですが、今日はたまたま母と妹が泊まりに来ていたので、つくってもらいました」

基本的には自炊。昼の弁当も自分で詰める。

 毎朝6時前に起床し、自宅近くの多摩川河川敷で汗を流すことから、田中さんの1日ははじまる。ストレッチやランニングで2時間みっちり汗をかく。食事を終えたら道場に行き、午前中は事務仕事を処理する。合宿や試合があるときをのぞけば、ほぼ毎日、同じスケジュールの繰り返しだという。強靭な肉体は地道な稽古の積み重ねによってつくられる。

<昼> 豚肉の照り焼き、鶏肉の卵とじ、ナスの煮浸し、カボチャの煮物、ピラフ

「昼食はほとんど弁当ですね。前夜の夕食のおかずの残り物とかを自分で弁当箱に詰めます。朝食のついでに用意するので、手間じゃないですよ。お酒を飲むときだってありますし、極端に気を遣ってるわけではないんですけど、自分でつくったほうがラクなので……たしかに潤いのない食生活ですけどね(笑)」

 昼食後はしばし休憩ののち、ふたたび稽古に取りかかる。道場生への指導は夕方から行なうが、その前から胴着に着替えて、柔軟や筋トレで身体をほぐしておく。

【次ページ】 2日間で7試合のトーナメントを戦い抜くための食事とは?

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