SCORE CARDBACK NUMBER

“最悪の夏”を乗り越え
復活したセルティックス。
~NBAファイナル敗退に学んだ教訓~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byNBAE/Getty Images

posted2010/11/03 08:00

“最悪の夏”を乗り越え復活したセルティックス。~NBAファイナル敗退に学んだ教訓~<Number Web> photograph by NBAE/Getty Images

昨季は東地区4位からファイナル進出するも、3勝2敗から2連敗を喫して王座奪還ならず

「NBAファイナルで負けるほど嫌なことはない」と言ったのは、ロサンゼルス・レイカーズのヘッドコーチ、フィル・ジャクソン。ファイナルにたどり着いた天国から、優勝できない地獄に一気に落とされ、最悪の気分のまま夏を過ごさなくてはいけないからだという。

 6月のNBAファイナルで、そのジャクソン率いるレイカーズに敗れたボストン・セルティックスの面々は、今夏、まさに“最悪の夏”を送った。第7戦の4Q残り6分の時点で同点だったのだから、なおさらだ。故障や疲労を乗り越えての長いシーズンを戦い抜き、プレーオフでは第4シードから勝ち上がったが、シーズン最後の6分間の戦いに敗れ、目の前で優勝を逃した。

「長い間、誰とも話さなかった。バスケも見なかったし、家を出たくなかった。殻にこもっていた」とポール・ピアスは言う。ケビン・ガーネットも「正直言って真っ暗な世界だった。一人にしてくれ、暗闇にいさせてくれ、という気分だった」と、敗れた後の心境を振り返った。

プレーオフにかけたことがファイナルではかえって仇に。

 9月のある日、セルティックスのヘッドコーチ、ドク・リバースはアシスタントコーチ陣を呼び集め、初めて、最後の試合の映像を見た。つらい時間だったが、頭の中で何度も再生されていた場面を実際の映像で検証することは、前に進むためにも必要な作業だった。

 新たな戦いに備え、戦力面でも補強した。夏にフリーエージェントとなったピアスやレイ・アレンと再契約し、一時は真剣に休業を考えていたリバースもコーチ続投を決意した。そして、レイカーズの高さにも対抗できるようにシャキール・オニールとジャーメイン・オニールの2人のベテラン・ビッグマンを獲得。課題のリバウンド力を向上させた。

 もうひとつ、変化が必要なのはレギュラーシーズンの戦い方だ。昨季は故障も多く、ある意味レギュラーシーズンは捨ててプレーオフにかけた。「ファイナルまでは切り抜けられたが、最後にそれが仇になった」とリバースは反省する。「ベテランが揃っていても、シーズンを通して彼らの経験に頼るわけにはいかない」

 まずはシーズン中から勝てるチームを作ることが、最後の試合に勝てるチームに繋がる。それが、“最悪の夏”を経験したセルティックスが学んだ教訓だった。

■関連コラム► 大物レブロンのヒート移籍の成否は? 試されるNBAヘッドコーチの管理能力。
► 優勝後に呪文が解けたブライアントの“告白”。~セルティックス戦の重圧~

関連キーワード
ボストン・セルティックス
NBA

ページトップ