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メジャーの短期決戦は中2日登板も。
CS&日本シリーズを変える名将は誰? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNaoya Sanuki/Hideki Sugiyama

posted2010/10/17 08:00

メジャーの短期決戦は中2日登板も。CS&日本シリーズを変える名将は誰?<Number Web> photograph by Naoya Sanuki/Hideki Sugiyama

両リーグの覇者、中日とソフトバンクはともに投手力で勝ち上がってきたチーム。これからの短期決戦では勝ちにこだわった選手起用が試されることになる

 メジャーのポストシーズンを観ていると、改めて“日本の常識”を考えることになる。

 10月11日(日本時間12日)のナ・リーグ地区シリーズ、サンフランシスコ・ジャイアンツ対アトランタ・ブレーブスの試合だった。負ければ敗退というブレーブスの先発マウンドはベテランのデレク・ロウ投手。ロウは7日の初戦に先発して6回途中まで96球を投げている。そこから中3日で志願の先発。結局、試合は敗れたが、ロウはこの日も7回途中まで3失点の好投を見せた。

 ロウはボストン・レッドソックス時代の2004年のリーグチャンピオンシップでも、これまた志願で中2日の先発をやってのけている。もともとスタミナには自信があるタイプではあるが、やはり“日本の常識”では考えられない登板だったと言えるだろう。

 メジャーでは先発投手の球数を100前後に抑えて、中4日のローテーションで回すことはよく知られている。

 しかし、これがポストシーズンに入ると様相が変わるのだ。

 1試合で150球近く投げさせることもあれば、前述のロウのように中3日での登板は当たり前。リーグチャンピオンシップやワールドシリーズのような7戦マッチでは3人の先発投手でローテーションを組むことが多くなってきている。

 信頼できる投手を重点的に起用するというのが、短期決戦のセオリーになりつつある、ということだ。

堀内恒夫前巨人監督が分析する選手起用法の日米格差。

 だが、日本ではいまだ頑なに中5日、ムリしてでも中4日という“緩い”ローテーションが“常識”となっている。

「それは日米の監督の、選手に対する性善説と性悪説の違いだ」

 こう説明していたのは堀内恒夫前巨人監督だった。

「日本では先発投手には1試合をあずけるという考えがあるから、そのための準備をしっかりさせる。準備のための時間を十分に与えたんだから、結果に対しては責任を持てよ、ということなんだ。日本の考え方は選手を信頼して、選手がきちっと調整してくるという選手性善説に基づくものなんだよ」

 だが、メジャーの場合は、選手を一つの駒として扱うから、中3日でも場合によっては中2日でも監督の責任で起用するのだという。

「メジャーでは結果責任はすべて監督にある。これは当たり前なんだが、日本に比べるとそれが徹底しているということ。だから実績のある選手を優先的に使って、場合によっては酷使することもある。選手とは尻をたたかなくちゃ走らないもの、という選手性悪説みたいな考えなんだよ」

 果たしてどちらが正解なのか……。

【次ページ】 1勝に全力を尽くすのが短期決戦のセオリーだが……。

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