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西仏両国が注視する、
将来嘱望のジダン2世。
~代表はスペインか、フランスか?~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

PROFILE

photograph byAFLO

posted2010/10/09 08:00

ジダンは愛息について「最も重要なことはマドリーのためにプレーするのを楽しむことだ」

ジダンは愛息について「最も重要なことはマドリーのためにプレーするのを楽しむことだ」

 レアル・マドリーの下部組織に世間の注目を集める一人の若者がいる。

 エンツォ・ジダン・フェルナンデス。

 言うまでもなく、あのジネディーヌ・ジダンの息子だ。

 マドリーのカデーテA(U-16)に所属する15歳のエンツォは攻撃的MFで、主にトップ下と左サイドでプレー。持ち味はしなやかなボールタッチとドリブルで、父親の十八番だったルーレットまでさらりとこなす。背番号も10と、まさに瓜二つ。クラブのGMホルヘ・バルダーノも「何から何まで父親譲り」と目を細める。

 マドリディスタの間では、若手を積極的に起用するモウリーニョが数年後にエンツォをトップチームに昇格させるかも、なんて声も聞かれるほどだ。

 9月に行なわれたアトレティコ、ヘタフェらとのカップ戦でも得点するなど、順調な成長を見せるエンツォだが、気になるのが周囲の過剰なまでの報道合戦だ。

 9月5日、スペインの「AS」紙が彼の活躍を一面で報じると、フランスのレキップ紙やフランスフットボール誌もそれに続いた。フランスTV局のTF1は、マドリーのカデーテの試合のために、わざわざパリからTVクルーを送り込むほど。15歳の彼をめぐり、西仏両国で報道は過熱する一方だ。

スペインとフランス、両協会による綱引きも?

 これほど注目されるのは、エンツォが将来、西仏どちらの代表でプレーするのかという、両国にとっては非常に大きなテーマがあるから。彼はボルドー生まれだが、母方の祖父母がアルメリア出身と、どちらの代表でもプレーすることができる。すでに両国のU-16代表が招集を示唆しており、今後は協会間でエンツォをめぐる綱引きが起きるかもしれない。

 父親のジダンは息子からプレッシャーを取り除くために、登録名を「エンツォ・ジダン」ではなく「エンツォ・フェルナンデス」とするなどの配慮をしていた。マドリーもプレーに専念させるために本人への取材を規制しているが、「ジダン2世」への注目は高まるばかりだ。

 父親との比較こそ避けようがないが、その才能をゆっくりと伸ばしてやりたいと思うのはジダンだけではないはず。

 メディアの過剰報道と代表チームの綱引きの狭間で、貴重な才能がつぶれるようなことだけはあってはならない。

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