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「ア高ナ低」が続いても、
交流戦の人気が高い理由。
~MLB「インターリーグ」の魅力~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2010/07/24 08:00

「ア高ナ低」が続いても、交流戦の人気が高い理由。~MLB「インターリーグ」の魅力~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

ラミレスが球団批判の末に、レッドソックスからドジャースに移籍したのは2年前のこと

 ドジャースのマニー・ラミレスが古巣ボストンで打席に向かうと、超満員の球場内には、歓声とブーイングが重なり合うかのようにこだました。ワールドシリーズ以外では実現しない対決を待ち望んでいたのは、他でもない、地元のファン達だった。

 メジャーリーグの交流戦「インターリーグ」が6月下旬で終わった。今季の対戦成績はア・リーグの134勝に対し、ナ・リーグは118勝と、7年連続でア・リーグが勝ち越した。オールスターでも、'97年以来昨季まで、ア・リーグが1分けを挟んで12連勝中とあって、データ上では「ア高ナ低」の図式が定着してきた。

 その一方で、交流戦への関心度は高い。今季は1試合平均3万3253人の観客動員を記録し、そこまでの公式戦平均を17.8%も上回った。もともと交流戦は、'94年のストライキ以後、ファン離れが顕著だったこともあり、人気回復策として'97年に始まった。以来、観客数は公式戦より12%増。球場へ足を運ぶファンが多いのは、紛れもなく人気の表れと言える。

不均衡はなはだしいが、交流戦不要論は聞こえてこない。

 現実的には、対戦相手が毎年不定期で、しかも2球団多いナ・リーグはその間、1試合だけリーグ内の対戦が組まれるなど、不均衡もはなはだしい。それでも、球界内から交流戦不要論は聞こえてこない。確かに、興行的にうま味があるのも事実である。ヤンキース対メッツの「サブウェイシリーズ」、ドジャース対エンゼルスの「ハイウェイシリーズ」など、同じ都市・地域内での直接対決は、地元ファンの楽しみとして確実に定着した。

 選手にも、交流戦は普段と違うリズムで緊張感を生む。エンゼルスの松井秀喜ら指名打者にとっては出場機会減となるが、日頃打席に立たないレッドソックス松坂大輔は「個人的には一番望んでる形です」と、真剣モードで打席に向かった。一方、ドジャース黒田博樹は、打席がない試合を「投げることに集中するだけです」と、プラス材料として受け入れている。

 今年の交流戦の最高成績は、ホワイトソックスの15勝3敗。無論、日本のように、優勝賞金5000万円もなければ、MVPもない。たとえ、多少の不均衡があっても、ファンを重視する姿勢は、プロの興行としての条件の一つではないだろうか。

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