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思惑違いの移籍劇。
馬原孝浩は新天地で蘇る。
~森脇監督が期待する反骨心~ 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byHideki Sugiyama

posted2013/01/28 06:00

思惑違いの移籍劇。馬原孝浩は新天地で蘇る。~森脇監督が期待する反骨心~<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

オリックスへの移籍が決まった馬原は、寺原に「全然気にしなくていい」と伝えたという。

 ソフトバンクの馬原孝浩が、オリックスに移籍することになった。寺原隼人がFAでオリックスからソフトバンクに戻ることになった時、誰よりも喜んだ馬原がその人的補償の対象となったのは、何とも皮肉な話だった。

 守護神の放出は、V奪回を狙うソフトバンクにとって痛手だ。球団フロントは、馬原が右肩の故障明けで年俸が1億3500万円と高額であることや、今季中にFA権を取得することもあり、オリックスの“指名”はないと判断。28人のプロテクト枠から除外していた。

 だが今季からオリックスの監督となった森脇浩司は、ソフトバンク時代にヘッドコーチを務め、「存在価値は、杉内俊哉や和田毅よりも大きかった」と語るなど、馬原の実力を誰よりも知っていた。人的補償の対象者リストを見た森脇は、迷いなく指名したのだという。

落胆した同郷の後輩を気づかった秋山幸二監督。

 馬原は'04年に九州共立大から自由獲得枠でダイエーに入団。2年目から抑えとして活躍し、9年で180セーブを挙げている。昨年は2月に右肩腱板および関節唇のクリーニング手術を受け、マウンドには立てなかったものの、その後、順調に回復。今季の復活を期して、1月5日から攝津正、オリックスの西勇輝、寺原らとともに佐賀県唐津市で合同自主トレを行なっていた。

 すでにブルペンで投球練習するなど、「本当に肩を痛めていた投手なのか」と、西が驚くほどの仕上がりだった。本人も「手術前よりもいいパフォーマンスができる」と手応えを感じていたが、1月11日夜、突然、トレードを通達された。

「(生まれ育った)九州でずっと野球をやってきただけに、寂しい気持ちがないと言えばうそになる」

 馬原の落胆を知った秋山幸二監督は、「今は一つの球団で選手生活が終わる時代じゃない。新しい環境でしっかり自分を見つけて欲しい」と同郷の後輩を気づかった。一方、クローザー候補の獲得に成功した森脇監督は「平野佳寿と組み合わせて、中継ぎか抑え、重要な部分を任せると思う」と、馬原の反骨心に期待を寄せている。

“肥後もっこす”の馬原が、自分を軽視した古巣ソフトバンクに対して、「炎の塊」となって向かっていくことは間違いないだろう。

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