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難解なJの順位予想。
ポイントは“ちょい足し”。
~広島の優勝を例に考える~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

PROFILE

photograph byAFLO

posted2013/01/16 06:00

繊細なライン管理と高精度のフィードで、最後方からチームを操った千葉(右から2人目)。

繊細なライン管理と高精度のフィードで、最後方からチームを操った千葉(右から2人目)。

 元日恒例の天皇杯決勝では、柏レイソルがガンバ大阪を下し優勝を飾ったが、シーズン締め括りの余韻に浸る暇もなく、あと2カ月もすると、順位予想の難解さでは世界屈指のリーグ、J1の新シーズンが開幕する。

 前年の成績が順位予想の参考にならないことは、誰もが知るところだろう。ちなみに、過去3年の優勝クラブの前年順位は、9位、J2優勝、7位。もはやどこが優勝しても驚くことはない。

 そんななかで、あえて予想のキーワードを挙げるなら、「継続性」になるだろうか。監督や選手が入れ替わる度に、クラブの目指すコンセプトが揺れ動いていたのでは、優勝はおぼつかない。昨年、広島とG大阪が対照的な結果に終わったのも、このあたりに理由があると言える。

 とはいえ、継続による熟成を待つだけでは、大きな飛躍は望めない。そこにはプラスアルファが必要だ。

地味でも有効な補強手段は確実にあることを証明した広島。

 プロ野球に目を移せば、楽天がヤンキースからアンドリュー・ジョーンズを獲得することになった。最盛期のブレーブス時代からは数年が経過したが、バリバリの現役メジャーリーガーであることに変わりはなく、超のつく大物である。

 翻ってJリーグでは、残念なことに、景気のいい話は聞こえてこない。大物外国人はおろか、日本代表クラスの選手にしても、移籍の動きは限定的だ。

 ただしプラスアルファは、必ずしも大物選手である必要はない。地味ながらも有効な補強手段は確実にある。それを証明したのが、昨年の広島だったのではないかと思う。

 低い位置からでも攻撃を組み立てたい広島では、DFも単なる守備の人では務まらない。そんなチームにあって、昨オフに移籍加入した千葉和彦は、まさに「掘り出しもの」だった。

 このパスセンスに優れたDFも、新潟では決して際立つ存在だったわけではない。少なくとも、移籍動向に注目が集まるような選手ではなかった。しかし、千葉の特性は、広島のスタイルと抜群の相性を見せた。その活躍ぶりは、先のJリーグアウォーズでベスト11に選出されなかったのが、不思議なほどである。

 シーズン開幕まで、各クラブの補強はまだまだ続くだろう。継続性と、効果的な“ちょい足し”。難解なリーグを読み解くうえでのカギにしたい。

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