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大阪国際で再スタート。
野口みずきの新たな目標。
~1月27日、世界選手権を懸けて~ 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAFLO

posted2013/01/10 06:00

大阪国際で再スタート。野口みずきの新たな目標。~1月27日、世界選手権を懸けて~<Number Web> photograph by AFLO

昨年の名古屋ウィメンズでは2時間25分台でゴールし「まだやれると確信した」と語った。

 年末から年始にかけて、あちこちの取材現場で、第一線を退く選手の話が聞かれ、若い選手の台頭に注目が集まっていた。オリンピックを一つの区切りとする選手が多い以上、自然なことかもしれない。世代交代を促す声もしばしば聞かれた。

 一方に、引退危機を何度もささやかれながら、なおあきらめない選手もいる。

 その一人、野口みずきが、今月27日の大阪国際女子マラソンに出場する。今夏にモスクワで行なわれる世界選手権日本代表を目指してのエントリーである。

 野口は、連覇を狙った北京五輪のレース5日前に、左足付け根の故障で欠場を表明した。以後、復帰を目指しては何度も故障に苦しめられてきた。

 ようやくフルマラソンに復帰したのは、ロンドン五輪代表選考レースのひとつ、昨年3月の名古屋ウィメンズマラソン。実に4年4カ月ぶりのことであった。このレースで、一度は先頭から150m以上離されながら追いついて先頭に立つなど驚異的な粘りを見せたが、結果は6位。五輪代表を逃すと、「これで最後か」と見る向きもあった。

 だがレース後、野口はこう口にした。

「これが引退レースじゃありません。ここからスタートしたいです」

「私はほんとうに走ることが好きで、好きでやってきた」

 そして10カ月を経ての、マラソンへのエントリーである。

 野口は、これまで何度も走ることをあきらめかけたことがあると言う。そのたびに、「自分の夢を捨てたらだめなんだ」と、継続してきた。根本にあるのは、こんな思いだ。

「私はほんとうに走ることが好きで、好きでやってきた」

 だから周囲がどう思おうと走り続けてきた。昨年10月、12月と駅伝に出場しながら調整し、備えてきた大会へ向けての抱負をこう語っている。

「2時間22、23分台を目指さないと勝てないと思います」

 2時間19分台の自己ベストを持つとは言え、故障がちだった体をようやく立て直しての現在だ。34歳という年齢を考えても、決して容易にクリアできる目標ではない。ただ、あくまでもあきらめようとはしない心がその言葉にはこめられている。衰えない気力と執念で、周囲の視線を覆すことができるか。

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