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酒井高徳が渡欧して早1年――。
一流選手へ化ける、その時が近い! 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph bypicture alliance/AFLO

posted2012/12/29 08:01

酒井高徳が渡欧して早1年――。一流選手へ化ける、その時が近い!<Number Web> photograph by picture alliance/AFLO

途中交代する酒井(21歳)を送る内田篤人(24歳)。同じポジションの選手として、ブンデスリーガで最高のプレーを続けるライバルであり、同志である。

 新潟からドイツはシュツットガルトにわたって1年。

 酒井高徳のヨーロッパのフットボーラーとしての1年が終わった。

 課題をつきつけられながらも、充実感もある。そんな1年だったのではないだろうか。

 昨シーズン、2012年1月のウインターブレイク中にシュツットガルトにレンタル移籍で加入した酒井。当初の3試合こそベンチで過ごしたものの、当時のライバルだった左サイドバックのモリナーロが出場停止になったことでチャンスをつかむと、そこからは完全にレギュラーに定着。初スタメンからシーズンが終わるまでの14試合全てで試合開始の笛をピッチの上で聞いた。

 今シーズンは、開幕前のロンドンオリンピックに参加したために出遅れたものの、ライバルである右サイドバックのホークラントが負傷して回ってきたチャンスを逃さず14試合に先発出場を果たした。

「チームとしてうまくいってないときに自分に何が出来るのか」

 昨シーズンの後半戦と今シーズンの前半戦、酒井はあわせて28試合に出場している。

 ブンデスリーガの1シーズンに行なわれる試合数は34試合。ドイツにやってきて6シーズン目となる長谷部誠が1シーズンに最も多く出場したのが'08-'09シーズンの25試合だったことを考えても、この1年間で酒井が積み上げた28試合というのはいかに意味のある数字なのかがわかるはずだ。

 そんな1年を、酒井はこう振り返る。

「チームとしてうまくいってないときに自分に何が出来るのか。そこに課題が見えたと思います。もちろん、(チームの)調子が良い時にも、もっとやらなきゃいけないんですけどね。だから、良い意味でも悪い意味でも非常に大きな収穫があったんですよ」

 昨シーズンの酒井が加わってからシーズン終了時までの間、つまり昨シーズンの後半戦だけの成績を見ると、シュツットガルトはドルトムントとバイエルンにつぐ3位となる31もの勝ち点を積み上げた。そんな好調のチームの中で、酒井は躍動。14試合で5アシストという結果を残した。サイドバックの選手としては、高く評価されるべき数字だ。

 ところが、今シーズンの序盤戦はチームが不調に陥り、一時は最下位にまで沈むことになる。その中にあって、リーグ戦ではアシストも記録することさえ出来ず、酒井も思うような活躍ができなかった。しかも、開幕前にオリンピックに参加したことで、十分な調整が出来ず、コンディションもなかなか上がってこないという悪条件も重なった。

【次ページ】 サイドバックはチームの調子に左右されるものだが……。

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