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イタリア人新監督が導く、
常勝サントリー復活への道。
~“世界標準”の組織的バレー~ 

text by

米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph byREAL PHOTOGRAPHY

posted2013/01/02 08:00

イタリア人新監督が導く、常勝サントリー復活への道。~“世界標準”の組織的バレー~<Number Web> photograph by REAL PHOTOGRAPHY

 男子バレーのV・プレミアリーグで、サントリーが8勝2敗の首位と好調だ。今季から指揮を執るイタリア人のパオロ・モンタニャーニ監督は、「組織の強さが今の結果につながっている」と手応えをにじませた。

 リーグ5連覇を果たすなど常勝時代を築いたサントリーだが、'07年を最後に優勝から遠ざかっている。2年前は2位、昨季は3位と上位は保っていたが、あくまでも頂点を狙い、世界を見据えたチームを作るために、今季、世界を知る指導者を求めることを決断した。サントリーのラグビー部がエディ・ジョーンズを招聘し成功したことも参考材料になった。

 イタリア・セリエAの監督だったパオロは以前から日本バレーに関心を持っており、長女の名が「アジア」、今年9月に日本で誕生した長男に「ケンタ」と名付けるほどの親日家だ。8月に来日すると、選手やチームとぶつかることを厭わず様々な変革をもたらした。目指すのはコート内外にわたり完璧に組織化されたチーム。コート内ではブロックシステムの確立やミスを抑えた組織的な攻撃、データを最大限に活かした緻密な戦術を徹底。コート外でも規律を重んじ、特に選手のコンディション管理に厳しく、体脂肪率や体重を制限したり、医療スタッフを充実させるなどの働きかけを行なった。

当初は不平不満もあったが開幕戦で王者を撃破し、深まった信頼。

 新鮮な刺激に沸く一方で、開幕前は「不安もあった」と主将の山村宏太は明かす。例えば、個人技ではなく完全に組織の一員としての動きを求められ、「押さえつけられていると感じるなど、選手に不平不満もあった。負けるとそういうマイナスの力が膨らむので、これは勝たなかったらまずいなと思っていました」

 どちらに転ぶのか、その方向を決定づけたのが11月3日の開幕戦だった。昨季Vリーグ、天皇杯、黒鷲旗の三冠を達成した王者パナソニックをフルセットの末に破ったことで、「やってきたことを出せば去年の覇者にも勝てるんだという芯が、皆の心の中に刻まれた」と山村。この勝利でチームの歯車がプラスの方向に回り始めた。

 勝つほどに新監督のシステムに対する選手の信頼は深まり、より忠実に戦術を実行しようと意識は高まる。結果、7連勝で年内のリーグ戦を終えた。世界標準を目指し動き始めたサントリーが、今季どこまでたどり着くのか注目だ。

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