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不入りが続く九州場所。
その打開策はあるのか?
~販売力改善と、土俵内の充実を~ 

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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posted2012/11/11 08:00

不入りが続く九州場所。その打開策はあるのか?~販売力改善と、土俵内の充実を~<Number Web> photograph by KYODO

空席が目立った昨年の九州場所。今場所は久々の2横綱の影響か、前売りは好調だという。

 大相撲一年納めの九州場所は、観客の不入りが深刻な状況となっている。空前の大相撲ブームに沸いていたあの頃――'89年11日目から'97年2日目まで、開催される福岡国際センターには、111日間にわたり「満員御礼」の垂れ幕が下がり続けていた。しかし、翌'98年から2011年まで、実に14年ものあいだ、初日に満員御礼が出ていない。それどころか、'00年から'02年までの3年間は、15日間の開催中、一度も満員御礼が出なかったほどの不人気ぶりだった。

 過去の有料入場者総数を調べると、'97年には約13万人で、その後は年を追うごとに減少。昨年は約5万3000人にまで落ち込み、ワースト記録を更新した。ちなみに、九州出身の琴奨菊が新大関として土俵に上がり、稀勢の里の大関昇進も掛かっていた場所でもあったのだが、集客には繋がらず。今年は新横綱の日馬富士が目玉となるが、その効果はいかに。

 九州場所不入りの要因のひとつとして考えられるのが、茶屋と呼ばれる「相撲案内所」の存在である。東京では20軒、大阪には8軒、名古屋には3軒の案内所が存在し、それぞれに贔屓筋や固定の顧客を持ち、接待用に企業が年間を通じ、枡席を確保している例も多い。

 年3回開催される東京場所を例に取ると、案内所が枡席チケットの約半分ほどを取り扱っており、相撲協会にあらかじめ「席代」を上納するシステムが残っている。そのため、案内所は営業努力をせざるを得ない。

「いっそのこと、本場所開催地を東北に」と囁かれる状況では……。

 しかし、九州の場合はこの案内所が存在せず、「大相撲売店」の名で、小さな有限会社がチケットや相撲土産を取り扱っているだけなのだ。その販売力に頼ることは期待できない上に、地元民からの、こんな声もよく耳にする。

「野球は相変わらず、ソフトバンクホークス人気で盛り上がってるよ。今の相撲は、単に面白くないだけ。テレビで観れば十分だからね」

 販売システムだけではなく、「土俵の充実」に問題があるのは言うまでもない。

 人情厚い「博多っ子」にそっぽを向かれてしまった今、「今後、客足の回復策をはかっても焼け石に水。いっそのこと相撲が盛んな青森など、東北地方に本場所開催地を移しては」との声が協会内部で囁かれるのも、むべなるかな。

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