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タブーにも切り込んだ、
SRCの格闘技改革。
~国際化、報酬公開、マッチメーク~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2010/06/14 06:00

タブーにも切り込んだ、SRCの格闘技改革。~国際化、報酬公開、マッチメーク~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

金原は昨年大晦日に山本“KID”徳郁に勝利。『SRC12』は怪我で休み6月が復帰戦

 昨年まで『戦極』の名称で活動していた『SRC』の動きが活発だ。まず各クラスの体重設定の変更に着手して、階級分けをUFCとほぼ同じにした。国際規格に合わせることで、選手は日本とアメリカの間をスムーズに行き来できるようになった。

 また、7月4日には東京で『SRCバンタム級ASIAトーナメント2010』1回戦を開催する。出場資格は各団体のランカーであることなどが条件。すでに何名か他団体で活躍中の選手からエントリーがあったと聞く。

ファイトマネー公開が業界に与えたインパクト。

 優勝賞金は300万円。画期的なのは1回戦のファイトマネーを「一律10万円」と発表したことだ。これまで日本の格闘技界では選手が受け取る報酬を公表することはタブーとされてきた。莫大な額を貰っているのはほんの一握りであることが、その理由と思われる。それだけに今回の公開にはインパクトがあった。このままSRCが公開制に踏み切れば、他のプロ競技とも比較されるので選手の待遇は良くなる可能性が高い。

 6月20日、両国国技館で開催の『SRC13』には、魅力的な対戦カードが揃った。その筆頭は王者・金原正徳にマルロン・サンドロが挑戦するSRCフェザー級タイトルマッチだ。両者は昨年開催された戦極フェザー級GPに出場しているが、直接対決する機会はなかった。

 金原は準決勝で日沖発に一度は敗北。しかしながらこの一戦で負傷した日沖が決勝進出を棄権したために、日沖の代役として小見川道大と対戦した金原が優勝した。一方のサンドロは準決勝で小見川に際どい判定で敗れている。運が良かった男と悪かった男の直接対決に、大河ドラマを感じるのは筆者だけではあるまい。

格闘技界にも到来した“仕分け”の時代。

 他にも階級を落として1年半ぶりに実戦に臨む菊田早苗の登場や泉浩のプロ3戦目など、話題は盛り沢山だ。昨年の戦極を盛り上げた主力は金原とサンドロだけだが、マッチメークや新顔の投入で話題を作ろうとしている。その代わり高額なファイトマネーの選手は皆無。要はかけるところにはかけるが、不必要だと思われるお金は一切かけないということだ。格闘技界にも仕分けの時代が到来したのか。大衆を振り向かせるビッグサプライズこそないものの、タブーにも切り込んだSRCの新たな試みに注目したい。

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