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前人未到の1億ドル。
~ウッズの生涯獲得賞金の意義~ 

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小川勝

小川勝Masaru Ogawa

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photograph byGetty Images

posted2012/10/20 08:00

前人未到の1億ドル。~ウッズの生涯獲得賞金の意義~<Number Web> photograph by Getty Images

ドイツ銀行選手権で3位に入り、生涯獲得賞金が1億ドルを突破したタイガー・ウッズ。賞金制のスポーツでは前人未到となる大台に乗せた。

 タイガー・ウッズが生涯獲得賞金で、世界のゴルフ史上初めて1億ドル(約80億円)を突破した。9月3日、ドイツ銀行選手権で3位になったウッズは54万4000ドル(約4352万円)を獲得、'96年のプロ転向以来、17年目でついに大台を突破したのだが、日本では、あまり大きく報道されなかった。

 しかし、賞金だけで1億ドルということの意味を、いろいろな角度から見ていくと、これはタイガー・ウッズという、現役のスポーツ選手では最大のイコンというべき大スターのスケールを、最もよく表している数字かも知れない。その具体的な意味について、いろいろと見てみたい。

●タイガー・ウッズの年度別獲得賞金
賞金ランク 獲得賞金額 メジャータイトル獲得
'12 2 588万5158ドル  
'11 128 66万0238ドル  
'10 68 129万4765ドル  
'09 1 1050万8163ドル  
'08 2 577万5000ドル 全米OP
'07 1 1086万7052ドル 全米プロ
'06 1 994万1563ドル 全英OP/全米プロ
'05 1 1062万8024ドル マスターズ/全英OP
'04 4 536万5472ドル  
'03 2 667万3413ドル  
'02 1 691万2625ドル マスターズ/全米OP
'01 1 568万7777ドル マスターズ
'00 1 918万8321ドル 全英OP/全米OP/全米プロ
'99 1 661万6585ドル 全米プロ
'98 4 184万1117ドル  
'97 1 206万6833ドル マスターズ
'96 24 79万0594ドル  
計    1億70万2700ドル  
※'12年は10月5日時点

 まず、史上初の1億ドルということで、ウッズに続く二番手の選手は誰かというとフィル・ミケルソンなのだが、ミケルソンは約6680万ドル(約53億4400万円)。今年のペースで賞金を重ねていっても、1億ドル到達には、あと7年くらいかかる。42歳の彼にとって、これはなかなか厳しい道のりだ。

 一方、ウッズはまだ36歳。常識的に見て、今年のパフォーマンスレベルであと5、6年はプレーできるはずだ。2位ミケルソンとの差は、縮まるよりは広がる可能性の方が高い。ウッズが残す生涯獲得賞金の記録は、当面、誰にも破ることのできない、ずば抜けた記録になるだろう。

一番“1億ドル”に近いフェデラーでも、9月時点で7369万ドル台。

 ほかのスポーツを見ても、賞金を稼ぐ形の競技で、1億ドルに到達した選手はいない。一番近いのはテニスのロジャー・フェデラーだが、10月5日時点で7369万1177ドル(約58億9500万円)。彼はすでにテニスの世界では歴代1位で、それを現在も更新している。

 4大大会の優勝賞金を比べると、ゴルフよりテニスの方が高い。今年の全米オープンは、ゴルフが144万ドルで、テニスは190万ドルだった。フェデラーはグランドスラム大会で歴代最多の優勝17回を記録している。それでも1億ドルというのは、まだはるかに届かない状態だ。

【次ページ】 野球などの年俸制と、賞金制のスポーツの違いとは?

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