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ビーチバレー女子代表、
五輪予選敗退の理由。
~総監督不在のドタバタ劇~ 

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吉田亜衣

吉田亜衣Ai Yoshida

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photograph byYoshihisa Kosaki

posted2012/07/10 06:00

ビーチバレー女子代表、五輪予選敗退の理由。~総監督不在のドタバタ劇~<Number Web> photograph by Yoshihisa Kosaki

準々決勝で、田中・溝江ペアはタイ代表の粘り強いディフェンスを最後まで崩せず2連敗。

 ビーチバレーの「五輪アジア大陸予選」が6月20日から24日まで中国・福州市で開催された。優勝すれば五輪出場権を獲得、2位、3位となった国は世界最終予選にまわり、4位以下は五輪出場が消滅するというこの大会。白鳥勝浩・朝日健太郎組、青木晋平・日高裕次郎組ら男子代表は、中国、オーストラリアなど若手の大型ペアを擁する国々を打ち破り、優勝。4年前、僅差で北京五輪出場権を掴んだ経験を糧にし、2大会連続で五輪出場を決めた。

 一方、浦田聖子・西堀健実組、田中姿子・溝江明香組らが挑んだ女子代表は、準々決勝でタイに完敗。この瞬間、正式種目となった'96年アトランタ五輪以降の連続出場記録が途切れた。

 4大会連続で守り抜いてきた歴史をつなげられなかった原因は、どこにあったのか。一つは、国対抗戦にもかかわらず、五輪予選直前に代表を率いてきた渡辺聡監督が辞任、総指揮官不在だったことが挙げられる。ドタバタ状態の中、急きょシニア強化担当の川合庶氏が監督代行を務めたが、浦田・西堀組は、自らブラジル人の専属コーチ、チームスタッフを雇い、五輪予選に挑んだ。

「国内には指導者の数が少ないし、諸外国は次から次へと若手が出てくる中、日本は選手層が薄い。そんな状況だからこそ、自分たちで海外経験豊富なコーチを選んで、結果を残したかった」(浦田)

海外での強化合宿の費用、トレーナーらの契約は各ペアが負担。

 盤石な強化体制で挑めなかったのは、組織にも問題がある。海外での強化合宿の費用は各ペアが負担し、フィジカルトレーナーも選手各々で契約しているのが実状。日本代表専属のフィジカルトレーナーが国際大会に帯同したのは、五輪予選の時だけだった。

 浅尾美和の出現によって、近年人気を帯びてきた女子ビーチバレー。しかし、発展途上だったアジア諸国が急速に力をつけてくる中、日本は選手依存の強化から脱却できなかったと言える。

「今後は、選手や指導者を一堂に集められる強化センターを確立し、着手していなかったデータ収集や情報のフィードバックに努めたい。また若い選手が海外で実戦を積めるように、強化予算の使い方を見直す」(瀬戸山正二強化委員長)

 再び五輪出場権を掴むためには、「組織」の変革が、大きな鍵となる。

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