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チームが何度変わっても、
五十嵐亮太は前を向く。
~ヤンキースでメジャー再昇格を~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2012/06/23 08:00

チームが何度変わっても、五十嵐亮太は前を向く。~ヤンキースでメジャー再昇格を~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

今シーズンはリベラを始め救援陣の故障が目立つヤンキース。五十嵐にもチャンスはある。

 真新しいユニホームの着心地は、格別だった。6月7日。ヤンキースの五十嵐亮太が、マイナーの3Aスクラントンからメジャーに昇格した。連絡を受け、遠征地ダーラムからすぐに移動したものの、ヤンキースタジアムに到着したのは、レイズ戦の試合中。それでも、五十嵐の表情には笑みが絶えなかった。

「やっぱりいいですね。子供の頃から知ってるユニホーム。歴史もありますし、ほかのチームとは比べものにならない。見るものすべてに圧倒されます」

 今季は、目まぐるしく所属先が変わった。オフ期間にパイレーツとマイナー契約を交わし、招待選手としてキャンプに参加したものの、開幕前にブルージェイズへトレードで移籍した。その後、3Aラスベガスでの好成績が認められ、5月25日にメジャー昇格したが、2試合4失点と打ち込まれ、わずか2日後には戦力外通告を受けた。ところが、さらにその2日後、ウェバーでヤンキースへの移籍が決まり、マイナーで調整を続けてきた。

昨季終了後は、単身ドミニカに渡り、新たな武器を磨いた。

 マイナーを含めると、ヤンキースの「ピンストライプ・ジャージー」は今季、5種類目のユニホーム。大陸中の移動だけでなく、生活リズムも一定しない中、体調を管理し、野球に集中することは、決して簡単ではない。だが、五十嵐には疲労感も、悲壮感もない。

「移籍はよくあること。これがアメリカ。特に驚くこともなく、自分のペースで野球ができています」

 メッツと契約が切れた昨季終了後は、単身でドミニカ共和国のウィンターリーグに参加。メジャー定着への新たな武器として、カットボールに磨きをかけた。不慣れな環境に自ら飛び込み、貪欲にプレーするうちに、自然とたくましさも身に着けていた。

 8日には、先発黒田の降板後、3番手として登板した。1回1失点と課題は残したものの、最速97マイル(約156km)をマークするなど、改めて潜在能力の高さを披露。今回の昇格は、救援投手ガルシアが家族の不幸でチームを離れたための暫定措置だったこともあり、10日には再びマイナーへ降格した。

「もう少し調整は必要ですが、今後につながる投球だったと思います」

 環境やチームが変わっても、常に前を向き続ける五十嵐の姿勢は変わらない。

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