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11大会ぶりのメダル獲得へ。
期待を集める日本男子勢。
~改革進むアマチュアボクシング界~ 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

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posted2012/06/06 06:01

11大会ぶりのメダル獲得へ。期待を集める日本男子勢。~改革進むアマチュアボクシング界~<Number Web> photograph by BOXING BEAT

 ロンドン五輪で日本人ボクサー44年ぶりのメダリストが誕生か、という期待が高まっている。今回は昨年の世界選手権で準優勝の殊勲を上げたミドル級の村田諒太ら4選手が出場するが、そもそもこの「4」という数字自体が異例であり、日本勢の好調を物語っている。

 以前は国ごとに1階級1人の出場が許されたが、20年前のバルセロナ五輪から大陸ごとの予選制に変更。ソ連崩壊でアジア地域に中央アジアの強国が加わり、五輪出場は狭き門となる。その結果、'68年メキシコで森岡栄治が獲得した銅メダルを最後に、10大会連続メダルなしという不名誉な記録を更新しているのだ。

 しかし前回北京の2人から倍増の4人が出場する今回は期待できる。一番の注目は村田だが、他にも国際大会で何度も優勝入賞を経験しているベテラン須佐勝明(フライ級)、北京に続く出場の清水聡(バンタム級)、若手で190cmの長身サウスポー鈴木康弘(ウェルター級)は村田同様に世界選手権で結果を残して五輪出場を決めた。それぞれメダル獲得を口にし、実際その技量は備わっている。

アマチュアボクシング界とプロとの“鎖国状態”が解消。

 ここで、日本がメダルを獲れるかどうかは運次第――というと無責任に聞こえるかもしれないが、実際に大会直前の組み合わせ抽選が大きなファクターとなる。

 村田は世界選手権決勝でウクライナの強豪ヒトロフに敗れたが、もしいきなりヒトロフと対戦していたら「予選敗退」もありえた。5月の女子五輪予選で、最も期待されていた箕輪綾子が2戦目で「生きた伝説」メリーコム・マングテと当たり、敗退したのがいい例だろう。

 それでも最近の国際大会で勝率が高い日本にはいやでも期待したくなる。

 この理由は明快で、昨年アマチュアボクシング連盟のトップが替わり、改革断行に大きく舵を切ったことにある。プロとの“鎖国状態”を解消して協調し、国際大会に積極的に選手・役員を派遣するようになった。そして何よりも大きいのは「戦う選手が主役」という本来なら当たり前の方針を掲げ、これが功を奏していることだ。選手のサポート体制を充実させ、選手を一層意欲的にさせている。

 ロンドンで「不運にも」メダルが獲れなくとも、次世代に人材が豊富なことから、メダル獲得なしの記録がストップするのは時間の問題だろう。

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