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大型新人ヘイワードは
黒人の星となれるか。
~地元とMLBの期待を背負う理由~ 

text by

津川晋一

津川晋一Shinichi Tsugawa

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photograph bySports Illustrated/Getty Images

posted2010/04/22 06:00

大型新人ヘイワードは黒人の星となれるか。~地元とMLBの期待を背負う理由~<Number Web> photograph by Sports Illustrated/Getty Images

 今季の開幕戦。たったひと振りでファンのハートを鷲掴みにした超大型新人がいる。初打席、しかも初スイングが3ランホームランという離れ業でデビューを果たした弱冠20歳の外野手、ジェイソン・ヘイワード (ブレーブス) だ。

「たいしたヤツだよ、まったく」とコックス監督。チームリーダーのチッパー・ジョーンズも「こんな衝撃は久々だ」と舌を巻く。'07年のドラフト1巡目で入団。昨年、1Aから3Aまで一気に駆け上がって、『USAトゥデー』や野球専門誌の年間マイナー最優秀選手に選出された。MLB公式サイトでも、'09年に史上最高額の契約金で入団したストラスバーグ投手(ナショナルズ)を差し置いて、今季のトップ・プロスペクト(超有望株)50人中でトップに輝いた。

黒人選手の割合、NBA80%、NFL65%、MLB10.2%。

 今後は3割、30本塁打、100打点を打ち、向こう10年間のメジャーを代表する選手になると多くのメディアが予想する逸材。ブレーブスの本拠地アトランタでは、別の観点からも期待が集まっている。それは地元出身ということだけでなく、ヘイワードがアフリカ系アメリカ人だからだ。アトランタ市では、黒人が人口の約6割を占めるマジョリティ。NFLでも、'01年に黒人QBのM・ヴィックがデビューしてから、地元のファルコンズが人気を博した例もある。ブレーブスで久しく現れなかった黒人のスーパースターが嘱望されているのだ。

 それはMLB全体の意向でもある。ヤンキースが世界一に輝いた'77年、ラインナップには6人もの黒人選手が名を連ねた。その年のメジャー全体における黒人選手は28%。ところが一昨年は10.2%にまで減少し、NBA(約80%)やNFL(約65%)に大きく水をあけられているのが現状なのだ。アフリカ系アメリカ人のファンを維持するためにも、ヘイワードが球団を超えたスーパースターになることは歓迎すべきことなのである。

 そんな期待にもヘイワード自身は「舞台が大きくなり、より多くのファンが見てくれる。思い切りプレーして、この状況を楽しむだけさ」と自然体を貫く。歴代勝利数4位の名将コックスは今季限りで勇退する。そのはなむけのためにも、過去4シーズン地区優勝から遠ざかっている常勝軍団の起爆剤となり、一気にスターダムに駆け上ることができるか。

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