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本場のムエタイに挑戦する、
日本人選手たちの課題。
~梅野源治の敗戦から考える~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph byHiroshi Soda

posted2012/03/16 06:00

本場のムエタイに挑戦する、日本人選手たちの課題。~梅野源治の敗戦から考える~<Number Web> photograph by Hiroshi Soda

試合直前にS・フェザー級7位にランクアップした梅野だったが、判定負けに終わった。

 2月下旬、日本人選手によるタイでのムエタイ挑戦が相次いだ。調べてみると、5日間に11名の和製ムエタイ戦士が現地のリングで闘っている。

 22日、バンコクのデパート特設リングで行なわれた大会では現地で修行を続ける関西出身のノゾミ・イングラムジムが一進一退の攻防の末、一回り大きいオーストリア人選手を撃破。興奮したリングアナが「早くも今年のベストバウト誕生」と絶賛するほどの激闘を制した。

 もっとも、打倒ムエタイを果たせたのはほんの一握り。23日には海外でも積極的に闘う国崇がムエタイ二大殿堂のひとつラジャダムナンで現役ランカーに挑んだが、ヒザ蹴りの攻防に対応できず、3R途中でレフェリーに試合を止められた。

 24日にはもうひとつのメジャースタジアムとして名を馳せるルンピニーに、外国人として初めてムエタイ王者になった藤原敏男の一番弟子・森井洋介が出陣。16歳のムエタイ戦士を相手にヒジ打ちで先制のダウンを奪ったが、その直後逆にヒジで斬られてTKO負けを喫した。KO勝ちを狙い過ぎ、相手が挑んできた打ち合いに付き合ったのが敗因か。

タイのムエタイ専門誌でも大きく取り上げられた梅野だったが……。

 現地で一番話題を呼んだのは、森井と同じ大会に出場してゴンナパー・シリモンコンとのランキング戦に挑んだ梅野源治だった。昨年は日本で現役ランカーを相手に3連勝をマーク。その強さはタイでも評判を呼び、現地のムエタイ専門誌で大きく取り上げられるほどだった。

 戦前の予想でも梅野有利を唱えるタイの関係者は多かった。案の定、2R終盤梅野はパンチとヒジ打ちの連打でゴンナパーをダウン寸前まで追い込んだ。インターバルが1分しかない日本なら、次のラウンドで勝負がついていた可能性が高い。だが、日本とは違ってタイのインターバルは2分。果たして3Rになるとゴンナパーは息を吹き返し、首相撲からのヒザ蹴りで試合の流れを奪い返した。

 ここで梅野は「首相撲の技術も自分の方が上」とヒザ蹴りの攻防に付き合い、いたずらにスタミナを消耗してしまう。結局3-0の判定負けを喫し、計16針も傷口を縫った。そして控え室では「自分が弱かった」と唇を噛んだ。同じムエタイでも日本とタイではルールも環境も違う。この敗北を糧にしなければ、梅野たちは次のステップに進めない。

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