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新天地で始動した斎藤隆、
学び続ける42歳の決意。
~日米通算21年目を迎えて~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2012/03/13 06:00

新天地で始動した斎藤隆、学び続ける42歳の決意。~日米通算21年目を迎えて~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 こだわりの始動だった。2月14日。今季からダイヤモンドバックスに移籍した斎藤隆が、アリゾナ州スコッツデールのキャンプ施設に初めて足を踏み入れた。ちょうどこの日が42歳の誕生日。日米通算21年目の大ベテランは、1球ずつ年月の重みをかみしめるかのように、ブルペンで21球を投げ込んだ。

「改めて21年と言われると長いことに気付きますし、自分でも驚きます。ただ、まだまだ学ぶことがいっぱいありますし、今年も例外なく、可能な限りいろんなことに挑戦していきたいです」

 2006年、横浜を退団し、ドジャースとマイナー契約を結んだ。当時は、「野球人生のオマケのようなもの」と話すなど、自ら終着駅を探しにきたことを隠そうとしなかった。もっとも、アメリカでの斎藤は、着実に、力強く、階段を上った。ドジャースではクローザーを務め、その後、レッドソックス、ブレーブス、ブルワーズと所属先を変えながらも、貴重な救援投手として安定した成績を残す。一方で、幾度となく故障にも見舞われ、そのたびに「引退」の2文字が頭をよぎった。毎試合後、専属トレーナーによるマッサージは欠かせなくなった。

今季のキャンプではチェンジアップの習得をテーマに。

 昨季終了後、日本に帰国し、体のチェックをした際には、右肩の関節にズレが見つかった。ところが、トレーニングを継続し、渡米前に再検査したところ、そのズレは完全に元に戻っていた。担当医が驚くほどの回復ぶりだった。

「年齢を重ねると、新陳代謝は落ちますし、体内の脂肪を燃やすことに必死です。でも、体全体として、状態はいいんだと思います」

 若い選手のように無理は利かない。それでも、斎藤の志は高い。今季のキャンプでは、左打者へのツーシーム、さらに新しい球種となるチェンジアップ習得をテーマに掲げた。生命線ともいえる速球も、目標を時速98マイル(約158km)に設定した。

「95マイル(約153km)を投げるためには、目標を98マイルにしないと出ない。これまでいろんなことを学んできましたが、今年はシンプルに野球をやっていきたいですね」

 いつ終わりが来ても不思議ではない。だからこそ、振り返らずに前を向く。42歳の姿勢に、惑いはない。

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斎藤隆
アリゾナ・ダイヤモンドバックス

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