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プロ4年目にして初の優勝「0」。
石川遼の今季3つの誤算とは? 

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雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byYusuke Nakanishi/AFLO SPORT

posted2011/12/07 10:30

プロ4年目にして初の優勝「0」。石川遼の今季3つの誤算とは?<Number Web> photograph by Yusuke Nakanishi/AFLO SPORT

東京よみうりカントリークラブで開催された今季最終戦の日本シリーズJTカップ。石川は首位で最終日を迎えたものの、スコアを伸ばしきれず逆転優勝を果たした藤田寛之と3打差の3位で大会を終えた

 22試合に出場してトップ10が10回、そのうちプレーオフでの惜敗を含めて2位が3回あった。予選落ちは4回。獲得賞金額は9828万2603円で賞金ランクは3位。そして優勝回数はプロ4年目にして初めて「0」で終わった。それが石川が今年の日本ツアーで残した戦績だった。

「もちろん悔しいです。悔しいですけど、前を向いていくしかないと思ってる。『あの時もう少し練習していれば』と思うのは自分に甘かった証拠。そういうちょっとした気の緩みや妥協がすぐに結果に出る世界。あらためてこういう厳しい世界でやれてるのはいいことだと思うし、もっと強くならないといけない」

自分ではコントロールできない天候に泣かされた不運。

 不本意な形で終わったシーズンを振り返ってみると、優勝の妨げとなった石川の3つの誤算が浮かび上がってくる。

 1つ目は抜群の相性を誇る2試合がいずれも悪天候に見舞われ、短縮を余儀なくされたことである。

 9月のフジサンケイクラシックは石川が3連覇を懸けて臨んだ大会だった。自らの庭とも言えるほど得意な富士桜CCで「僕のゴルフ人生の中でも、もう一生訪れないチャンスかもしれない」というほど3連覇へのモチベーションも高まっていたのだが、台風の影響で快挙達成のチャンスは吹き飛ばされた。初日のラウンドが中止となると、その後も強い雨で進行がままならず、ついには36ホール短縮競技に変更された。

 最終日の石川は林の中から強引にピンを狙って池に落とすなど明らかに攻め急いでいた。なんとしても追いつこうという気迫は感じさせたものの、結果は5位。「4日間72ホールでやるとしたら、この36ホールのプレーは悪くなかった」という言葉には悔しさがありありとにじみ出ていた。

 後半戦出だしのこのタイミングで勝っていれば、シーズンの流れ、その後の試合に対する気持ちのもちようはだいぶ違ったものになっていたはずである。

【次ページ】 雨さえなければ松山をとらえていたかもしれない……。

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