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ア・リーグMVPのハミルトンを阻む、
“デー・ゲーム”という鬼門。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2011/07/25 10:30

ア・リーグMVPのハミルトンを阻む、“デー・ゲーム”という鬼門。<Number Web> photograph by Getty Images

昨シーズンは首位打者となり、ア・リーグMVPに輝いたジョシュ・ハミルトン。苦手とするデー・ゲームでの打撃がチームの勝敗を左右する

 日本より一足先にオールスター戦を終えたメジャーリーグは、シーズン後半戦に突入している。

 各チームともに戦力分析が終わった今、優勝を狙うチームはこの7~8月に補強を行ない9月にラストスパートをかけることになる。

 これまで日本人選手がこの時期に補強としてトレードされた例はないが、すでに主要メディアがトレード候補として黒田博樹投手や上原浩治投手の名を報じており、この2人の移籍の可能性は十分にある。この時期のトレードで“下位チームから上位チームに移籍する場合”は選手の実力が評価されてのもの。日本とは違いトレードを名誉なことと捉える選手が多いのもそのためだ。

 昨年クリフ・リーらを獲得、戦力アップに成功して、一気にリーグ優勝を果たしたレンジャーズも戦力補強を画策しているチームの1つだ。

 チーム打率で.272とリーグ2位にランクするほど強力打線は健在だが、チーム防御率は3.75とリーグ6位に留まっている。特にリリーフ陣のチーム防御率は4.50でリーグ11位まで下がっており、ジョン・ダニエルズGMもリリーフ陣の補強に言及している。

 ただ、オールスター前後から先発陣が絶好調で7月19日現在で12連勝を飾るなど、上り調子であることも間違いない。それでもシーズン終盤に向けて更なる安定した戦いを目指し、地区連覇を確実に果たすために、7月31日のトレード期限までに何らかの動きがあってもおかしくないだろう(それに伴い建山義紀投手の動向も併せて気になるところだ)。

デー・ゲームで打てない。ジョシュ・ハミルトンが抱える大きな欠点。

 レンジャーズが安定した戦いをできていないのは投手陣ばかりが原因ではない。特に首脳陣を悩ませているのが、昨年のMVP受賞選手で主砲のジョシュ・ハミルトンが大きな“壁”にぶち当たっているということだ。

 すでに日本でも報じられていると思うが、今シーズンのハミルトンはデー・ゲームに大不振を極めている。ハミルトンの「シーズン別昼夜別打撃成績」をまとめた下記の表を見てもらえばわかるように、これまでもデー・ゲームを苦手としてきたが、今シーズンは例年以上の大スランプに陥っている。

■ジョシュ・ハミルトンの昼夜別打撃成績(過去5年)

シーズン ナイト・ゲーム デー・ゲーム
打率 本塁打 打点 打率 本塁打 打点
2007 .326 16 36 .195 3 11
2008 .323 25 107 .248 7 23
2009 .264 8 43 .280 2 11
2010 .384 26 79 .286 6 21
2011 .364 13 49 .117 0 4

(2011年は7月20日現在の成績)

 ハミルトンの説明によると、「昼間はまぶしすぎてボールをしっかり捕らえることができない」のだという。確かに本人が主張する通り、ハミルトンは見事なまでにコバルトブルーに輝く碧眼を有している。だがこれまでも多くの碧眼の選手がメジャーに在籍したのは言うまでもなく、ロン・ワシントン監督もハミルトンの説明にいま一つ納得できていない様子だ。

「碧い眼のためにボールが見えないというのは今まで聞いたことがない。デー・ゲームで打てていないのは成績が証明しているが、眼の影響というよりも精神的な部分の問題ではないだろうか」

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