イチロー200本安打は芸術になった。
メジャーの野球殿堂入りも確実に!

渡辺史敏 = 文 ⇒この著者の記事一覧

text by Fumitoshi Watanabe

photograph by Getty Images

イチロー200本安打は芸術になった。メジャーの野球殿堂入りも確実に!

 13日、レンジャーズとのダブルヘッダー第2試合第2打席にマリナーズのイチロー外野手が遂に9年連続200本安打のMLB新記録を達成した。

 昨年イチローが並んだ8年連続200本安打はオリオールズなどで活躍したウィリー・キーラーが1894年から1901年にかけてマークしたもので、実に107年間誰も到達できなかった大記録である。

 6日のアスレチックス戦でメジャー通算2000本安打に近代MLB史上2番目のスピードで到達、12日に2安打を放ち、あと2本という状態でこの日に臨んでいた。

 AP通信はチームメイトのケン・グリフィー・ジュニア外野手の「歴史を目の当たりにするのはいつもいいものだよ。ビール・シャワーをするにはちょっと寒いかもね」という祝福やドン・ワカマツ監督の「108歳の記録が破られるのを見るのはとても特別なことだ」というコメントと共にこの新記録達成を伝えている。

MLB全体で祝福の報道がなされ、野球殿堂入りも確実に。

 またMLBもこの新記録の大きさに公式サイトに”イチロー200”という特別コーナーを設置しているほどだ。その中に掲載されている「ベースボールの世界、イチローの偉業に驚く」と題された記事ではMLBにおいてどれだけこの記録が凄いものであり、そのことを皆が認識していることを報じている。特にアストロズのミゲル・テハダ遊撃手の「ベースボールで最も難しい事の一つだと思う。200本安打するには少なくとも500打席に立って、安打を放たなければならないんだ。ほぼシーズン全体に出場しなければならないんだよ」という言葉は200本安打を過去3回記録した選手ならではの重みが感じられた。

 さらにスポーツ専門局ESPNのジム・ケイプル記者は同社ウェブサイトのコラムで、イチローが今シーズン2度8試合に欠場しながらも、その間も練習を続け復帰に備えていたことなどを紹介。その独特で真摯な姿勢が今回の記録につながったとしている。さらに通算2000本安打のうち452本が内野安打で、2001年以来最多であることを指摘し、「ゴロはイチローの芸術で、内野は彼のキャンバスなのだ」とまで表現する絶賛ぶりだ。クーパーズ・タウン、つまり野球の名誉の殿堂入りも確実だろうとも述べている。

米国人のスター、ジーターの記録が大きく報道された。

 ただ全米がこの大記録に注目してきたかというと残念ながらそうでもない。筆者の住むニューヨークの地元紙ニューヨークタイムズはスポーツ面のベースボール欄で新記録達成を写真入りで伝えたものの、記事は記録の紹介のみでコメントなどは入っていなかった。全国紙USAトゥディも写真入りではあったが、記事はわずか11行だけという扱いだ。

 今回、ちょっと残念に感じるのはヤンキースのデレク・ジーター内野手がルー・ゲーリッグ元内野手が保持していたチームの通算安打記録2721本を11日のオリオールズ戦で更新したことに、先に注目が集まってしまったことである。

<次ページに続く>

► 【次ページ】  シアトルという地方都市から全米へ偉業を発信したイチロー。

(更新日:2009年9月15日)

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