SCORE CARDBACK NUMBER

成長する女子ボクシング。
金メダル獲得の快挙。
~“スーパー少女”たちが担う未来~ 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

PROFILE

photograph byBOXING BEAT

posted2011/06/03 06:00

成長する女子ボクシング。金メダル獲得の快挙。~“スーパー少女”たちが担う未来~<Number Web> photograph by BOXING BEAT

世界選手権での日本チーム。前列左から4番目が金獲得の佐伯、その右隣が銅獲得の仲田

 来年のロンドン五輪で初採用される女子ボクシングで、日本に光明が射してきた。最近の海外の重要大会で相次いで好成績を収めているからだ。

 5月初旬にはこの分野の第一人者・新本亜也が中国・海口のアジアカップでフライ級に準優勝した。世界選手権2連覇の中国の強豪・任燦燦(レン・カンカン)に敗れ銀メダルに留まったが、スコアは6-4と大接戦。本人も「自信がつきました」と胸を張る。昨年の世界選手権初戦は完敗だったから、短期間の成長は明らか。日本は五輪で40年以上メダルと無縁だが、この不名誉な記録に終止符を打つ期待も高まる。

 もうひとつの朗報はトルコからもたらされた。4月下旬アンタリヤで開催された第1回世界女子ジュニア&ユース選手権大会で、14歳の中学3年生・佐伯霞がジュニア(14~16歳)のライトフライ級で見事金メダル獲得、15歳ピン級の仲田幸都子も銅メダルを手にした。

小学校低学年から格闘技を経験し、将来を嘱望されていた二人。

 アマチュアボクシングにおいて、世界選手権と名の付く大会で日本人選手が金を獲得したのは今回が初めてだから、これは快挙である。しかも佐伯のインド、カザフスタン、ロシア、ベトナムと強国を連破しての優勝には価値がある。大会前は、日本で公式戦を経験していない選手をいきなり世界大会に送ることに一部反対もあったが、成果を残して「日本が世界のトップレベルと肩を並べていると確認できた」と原千恵監督も喜ぶ。

 1年前にこの欄で、男子についてキッズボクシングの普及による新世代の台頭を紹介したが、女子もまた然りで、佐伯も仲田も小学校低学年から格闘技を経験し、当時から将来を嘱望されていた。佐伯は小学1年からキックボクシングを始め、打撃強化の目的でボクシングジムに通ううちにこちらが面白くなり転向。スパーリング大会で実力をつけ、昨年は成年も一緒の大会で最優秀選手に選ばれた。活発な性格そのままの手数の多いボクサーファイター型。負けず嫌いも強みだ。

 今大会に向けた合宿で佐伯・仲田は新人同士とは思えない好スパーを披露した。今後2人の“スーパー少女”がライバルとして切磋琢磨し、両者を軸にさらに全体の強化を図れば、女子ボクシングの将来は大いに明るい。ロンドンは年齢制限もあり2人の出場は無理だが、その次のリオ五輪に向けて大事に育ててほしい。

関連コラム

関連キーワード
新本亜也
佐伯霞
仲田幸都子
原千恵

ページトップ