昨年3月、7月、12月とすべてKO勝ちで決めた長谷川。防衛回数を10度の大台に乗せた

年間3度のKO防衛で
長谷川穂積がMVP獲得。
~「技能賞」は西岡利晃に~

前田衷 = 文 ⇒この著者の記事一覧

text by Makoto Maeda

photograph by BOXING BEAT

年間3度のKO防衛で長谷川穂積がMVP獲得。~「技能賞」は西岡利晃に~

関連アスリート・チーム:

チーム・選手名
西岡利晃
長谷川穂積

 プロボクシング'09年の「年間最優秀選手賞」に、長谷川穂積が選ばれた。2年連続、通算4度目の受賞である。“準”優秀選手賞とも言うべき「技能賞」は西岡利晃。今回の賞取りレースは事実上2人の争いだった。

 この年間表彰は、例年、東西メディアのボクシング担当記者の投票によって決められる。昭和24年の白井義男が最優秀を獲得して以来続き、今回が61回目という由緒ある賞である。

 今回は、他の賞も含め全体的に落ち着くべきところに落ち着いた、バランスのいい選考結果だったろう。視聴率43%を弾き出した例の亀田興毅対内藤大助戦は「年間最高試合賞」、勝った亀田は「最優秀選手賞」ほか各部門にノミネートされたものの、結果は亀田が「殊勲賞」、内藤が「努力賞」に落ち着いた。

年間3度の防衛戦をKO/TKOで飾った長谷川と西岡。

 話題性なら内藤対亀田戦だろうが、内容を吟味すれば、やはり年間3度の防衛戦をすべてKOまたはTKOで飾った長谷川、西岡のボクシングは頭抜けていた。

 3試合でトータル6ラウンドとは、円熟期に入った長谷川の速戦即決ぶりも凄まじい。現在、10度防衛。衰えの気配もなく、減量問題さえ解決できれば、具志堅用高のV13記録更新も夢ではない。

 一方、三十路を超えてなお進化を続ける西岡も負けていない。「KO賞」は長谷川に譲ったが、西岡の3KOのなかには、遠くメキシコに乗り込んで、著名なジョニー・ゴンサレスを必殺の左ストレート一発で眠らせた衝撃KOが含まれている。内弁慶が多いなかにあって、海外でも強い日本人ボクサーここにありとアピールした西岡のKO劇に、溜飲を下げる思いをしたファンも多かったのではないだろうか。

 この試合はぶっちぎりの27票を集めて「年間最高試合賞」に選ばれた。内藤対亀田戦も次点とはいえわずか4票と、まるで歯が立たなかったのである。

世界チャンプ急増でベルトを獲っても賞がもらえない事態も。

 ところで、世界チャンピオンが増えたおかげで、ベルトを獲得した年にどの賞ももらえないというケースが珍しくなくなった。一部の賞にもっと積極的に複数授賞を認めない限り、世界王者の数だけ賞を用意するのには無理がある。賞をもらい損なった選手には大いに同情するが、これはこれで、賞の権威を維持することにもなり、健全なのかもしれない。

■関連コラム► 西岡の海外防衛戦が示すボクシング界の台所事情。 (09/06/16)
► 長谷川穂積をアメリカに駆り立てるもの。 (08/08/07)


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