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楽天ついに最下位決定、田尾監督の胸の内。 

text by

永谷脩

永谷脩Osamu Nagatani

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photograph byKoji Asakura

posted2005/09/15 00:00

楽天ついに最下位決定、田尾監督の胸の内。<Number Web> photograph by Koji Asakura

 高橋ユニオンズ以来、51年ぶりの新規参入となった楽天イーグルス。田尾安志監督は就任に当たって「この球団の存在意義は大きい。それだけに強くしなければいけない」と言った。だが、フタを開けてみれば、11連敗が2度。その弱さには目を覆うばかりだ。

 戦力は最初から無理があった。旧近鉄、旧オリックスの残りものからの選択で、35歳以上が16人もいるチーム構成である。夏場のフルキャスト宮城の暑さは半端ではない。デーゲームは、特にこたえる。年寄りには余計だ。8月中、実に3勝しかできなかったのもうなずける。そして、ついに出た解任報道。

 8月23日、フロントからは12連敗したら休養するように勧告が出ていた。もちろん、田尾監督は拒否。すると今度は再建レポートの提出を求めてきた。そんなフロントに田尾監督は「おカネを出す側というのはすぐに結果を求めようとするのでしょうね」と寂しそうに笑っていた。

 エース岩隈の好投で何とか12連敗は阻止したが、解任報道の翌日に会った田尾監督は、ポツリとこう言った。

 「ある程度の覚悟はしていたけど、少ない人数で労を惜しまずがんばってくれているコーチがかわいそう。ぼく自身も中途半端で終わりたくない気持ちは強い」

 仙台の街を歩く。田尾監督に対して、同情こそあれ非難は少ない。入場収益は上がり、収支は1年目でトントン。安い経費と人件費でやっているのだから、ある意味では順調なのだろう。しかし、経営者はそうは思わない。後任候補には、野村克也・現シダックス監督、森祇晶・元横浜監督の名前もあがり始めている。

 当然、田尾監督の耳にも入る。「この世界、契約年数はあってないようなもの」といわれているが、3年契約の初年度からこれでは落ち着いて野球もできない。西武ライオンズは最初の3年間で寄せ集めを淘汰し、王国をつくりあげた。そんな我慢が、今の楽天にあればと思う。岩隈久志、福盛和男を除けば、他球団の一軍では通用しないと思われた投手陣だったが、有銘兼久、朝井秀樹に光明が見えた。

 “さわやか田尾”と呼ばれる球団の顔に、最低でもあと1年、指揮を執らせても、決して球団のイメージは損なわれない。それだけの度量と器量は必要だ。

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田尾安志
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