リーガ、国王杯決勝、チャンピオンズリーグ準決勝のクラシコ4連戦でスペインサッカー界は一色に染まっている。現在の欧州サッカーの頂点に位置する宿敵同士の対決は、ピッチ内外でも様々な話題で賑わっている。
その中の一つで興味深いのが、“芝生の長さ”と“水撒き”をめぐる両クラブの対立だ。
サッカーにおいてピッチコンディションが重要なのは言うまでもない。それ次第でプレー内容が変わり、結果が左右されることも少なくはない。ボール、そして選手のステップワークに直接かかわる芝生の状態は、その土地のサッカーそのものに影響を与える。
例えば雨の多いバスク地方では、伝統的に肉弾戦を前面に押し出したサッカーが継承されている。
逆にパスを繋ぐ、テクニックを活かそうとするサッカーを志向するレアル・マドリーやバルセロナの本拠地は、バスク地方と比べると圧倒的に雨の日が少ない。
泥だらけのピッチにしてレアルを倒そうとするチームも。
バスク地方と共に雨の多い地域として知られるカンタブリア州のサンタンデール出身で、かつてディ・ステファノらと共にレアルの第一期黄金時代の主力DFだったマルキートス氏は、各地方のサッカーの特色と雨の関係性についてこう語る。
「私たちの現役時代は今よりも顕著に土地ごとのサッカーの違いが見て取れた。ビルバオと試合をする時はサッカーじゃなかったよ。ビルバオはただでさえぬかるんでいるピッチにさらに水を撒いて、まともにボールが転がらないようにしていた。レアルの選手の技術を殺し、泥沼のピッチで体をぶつけ合う戦いにするためだ。
あのディ・ステファノでさえも、ビルバオでの試合は嫌がっていた。『俺はサッカー選手で、ラグビー選手じゃない』と言ってね。逆に私たちのホームで試合をする時、ビルバオの選手はボールに追いつけなかった。ビルバオのピッチでは止まってしまうボールが、チャマルティン(かつてのレアルのホームスタジアム)のピッチではしっかりと走ったからだ。
あの頃からサッカーは大きく変化し、土地ごとの違いも小さくなった。だが、サッカーが芝生の上で行なわれることに変わりはない。今回のクラシコでレアルとバルサが違ったコンディションを求めるのは当然のこと。なぜなら、両チームのサッカーには大きな違いがあるのだから」
両チームのサッカーの違いとは、リーガ、国王杯決勝でも明らかとなった戦い方の違いだ。
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