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センターバック育成に“身長制限”を。
~日本サッカー界が抱える課題~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

PROFILE

photograph byMasako Sueyoshi

posted2009/12/04 06:00

177cmの内田達也。173cmの岡本拓也との小柄なセンターバックは世界を相手にどう戦うか

177cmの内田達也。173cmの岡本拓也との小柄なセンターバックは世界を相手にどう戦うか

 センターバックの人材不足は深刻だ。先ごろのU-17ワールドカップを見ていて、改めて思い知らされた。

 日本は、最終的にこの大会で優勝するスイスを相手に2点を先制しながら、単純なロングボールに高さで競り負けて1点を返されると、これをきっかけにディフェンスが崩壊。“金星”を逃した。

 U-17代表のふたりのセンターバックは、177cmと173cm。いかにスピードや技術があったとしても、世界と伍するには、あまりにも小さすぎた。

 とはいえ、これが日本の現状である。

「サッカーに体の大きさは関係ない」。メッシなど、小柄な選手が多いバルセロナを例に引き、よく言われることである。だが、そのバルサでさえ、センターバックにはピケ(193cm)を据える。少しの例外はあるが、基本的に「センターバックは大きくなければダメ」なのだ。

 J1を見ても、レギュラーのセンターバックはその多くが180cm以上。空中戦で競り負けないためには、最低限のサイズが必要ということだろう。

センターバックは遅咲きのポジション。

 だが、身体的にも成長途上にある育成年代では、大きな選手というのは得てして動きが鈍い。高さの魅力より、スピードや技術の不足が目立ってしまい、評価されにくいのが実情だ。

 その結果、センターバックは遅咲きの選手が多くなる。中澤佑二や闘莉王に次ぐ存在としてA代表入りしてくるのは、寺田周平、高木和道、岩政大樹と、年代別代表経験がない大卒選手が続いている。彼らは180cm台後半の長身でありながら、若くして認められることのなかった才能である。

トップレベルの選手を育てるなら身長制限も必要?

 しかし、これでは、あまりにも効率の悪い選手育成と言わざるをえない。

 少なくとも、トップに選手を送り出すことを目的とするJクラブのユースでは、「180cm未満の選手はセンターバックにしない」くらいの考え方をすべきではないか。クラブ単体では難しいのなら、各大会規定で「センターバックの選手は180cm以上に限る」と定めるのもありだ(185cm以上と言いたいところだが)。

 暴論に聞こえるかもしれないが、最終的にトップレベルのセンターバックになるための前提条件がはっきりしている以上、そこから逆算して選手を育てるという発想はもっとあるべきだと思う。

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