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超巨漢左腕が追う通算300勝のビッグな夢。 

text by

出村義和

出村義和Yoshikazu Demura

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photograph byYukihito Taguchi

posted2007/10/04 00:00

超巨漢左腕が追う通算300勝のビッグな夢。<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

 球団のメディアガイドによれば、201cm、130kgとある。だが、体重の方はかなり疑わしい。最近のメジャーでは、アメリカ社会の肥満化傾向が反映されて、スラリとした長身というイメージを覆す体型の投手が増えたが、2001年にデビューしたインディアンスのC・C・サバシアは、そうしたトレンドを象徴する体躯の持ち主だ。

 もっとも、その“逞しさ”は見かけだけではない。自己最多タイの17勝をマークした9月8日の対エンゼルス戦では、左胸と右膝に直撃ライナーを2度受けながら、小走りで駆け寄ろうとするトレーナーを、2度とも手を振り払うジェスチャーで制止し、結局最後まで投げ切ってしまったのだ。

 この試合に象徴されるように、今年のサバシアには気力がみなぎっている。

 「チームのバランスが取れて、今年は十分に優勝が狙える。自分も昨年9月に膝を手術してから体調もいいし、今年こそ10月までプレーしたい」

 巨体とは対照的に、やさしげな小声でサバシアがそう語ってくれたのは、サンフランシスコで開催されたオールスターゲーム前日のことだった。

 そしてペナントレースは、その言葉通りの展開になっている。このままいけば、2001年以来の地区優勝ばかりでなく、1948年以来のワールドシリーズ制覇への夢も膨らむ。

 「投手として成熟してきた。三振も取れるが、必要なときにはゴロを打たせて併殺に仕留められるようになっている」

 と、ツインズのトーリ・ハンターはその進化ぶりを語る。

 そんなサバシアには、ワールドチャンピオンだけではなく、通算300勝という大目標がある。8月にトム・グラビンが史上23人目の300勝を達成したとき、グラビンが最後の300勝投手になってしまうのではないかと話題になった。最短距離にいるランディ・ジョンソンは腰を痛めて引退が取沙汰され、あと3年頑張れば達成できそうなマイク・ムッシーナは、「そこまでやるつもりはない」と、全く意欲を見せないからだ。

 しかしサバシアだけは、果敢に『チャレンジ宣言』をした。あと202勝。遠いゴールに向かって、投手としての評価を着実に積み上げていきそうな男である。

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