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魔裟斗が敗退で大波乱、進化した「K-1 MAX」。 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2006/07/24 00:00

魔裟斗が敗退で大波乱、進化した「K-1 MAX」。<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 ダウン発生率100%! 「K―1 WORLD MAX2006〜世界一決定トーナメント決勝戦〜」(6月30日・横浜)は史上稀に見る潰し合いの末、3年連続決勝へ進出したブアカーオ・ポー・プラムック(タイ)の2年ぶり2度めの優勝で幕を閉じた。

 4月の開幕戦を勝ち抜いたメンバーを見ただけで接戦が予想されたが、案の定初戦(準々決勝)から技術を伴ったハードな勝負が続出した。観客席から「こんな試合を1日3試合も続けていたら、間違いなく選手寿命が縮まる」という声が聞こえてきたのも頷ける。濃密な空気に支配された勝負の連続に、取材している方も全試合終了後には疲労感に襲われた。

 準々決勝の中では得意の前蹴りとローキックで優勝候補の魔裟斗(シルバーウルフ)をあわやというところまで追い込んだ小比類巻貴之(チームドラゴン)の積極的な試合運びが印象に残る。結局3回に左ストレートでダウンを奪った魔裟斗が準決勝に進んだが、日本代表の活躍の場はここまで。続く準決勝では前年度王者アンディ・サワー(オランダ)の左右の連打でダウンを奪われて判定負け。3年ぶりに世界王座奪還を目論んだ魔裟斗の野望は夢と消えた。

 大会前は魔裟斗と小比類巻のライバルストーリーがクローズアップされていたが、サッカーのワールドカップ同様、途中から我々は世界のレベルの高さを痛感せざるをえなかった。中でも出色の出来を見せたのはブアカーオ。開幕戦(1回戦)ではクリンチを反則とする新ルールに適応できず四苦八苦していたが、僅か2カ月の間に蹴りではなくパンチを主体に試合を組み立てるK―1戦士に変身。3試合ともパンチで勝負をつけていた。

 ルールを味方につけていたのはブアカーオだけではない。「相手を掴んでのヒザ蹴りは1回まで」という新ルールに適応するため、ボクサー並みのクラウチングスタイルからボディブローを狙う選手も目立っていた。もっともアルバート・クラウス(オランダ)は上半身を前傾させすぎてドラゴ(アルメニア)のヒザ蹴りを被弾。歴代世界王者の中では唯一初戦で姿を消すことに。今後は一発のヒザ蹴りが勝負のキーポイントになってくるのか。レベルが上がる一方のMAXでは、意外性と創造性も必要不可欠だ。

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