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復活した“青筋”で、モーニングは突き進む。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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posted2005/12/22 00:00

 アロンゾ・モーニング(マイアミ・ヒート)のこめかみに「青筋」が戻った。若い頃のモーニングは、こめかみの青筋がトレードマークとなるくらいの激しさで毎試合、毎練習を戦っていた。あまりの激しさに、負けた試合後には近づくのすら恐いほどだった。

 5年前に腎臓障害が見つかり、さらに2年前には腎臓移植を受けたことで、モーニングの世界観はがらりと変わった。ユニフォームを着てプレーできる幸せをかみ締め、以前より穏やかな表情を見せることが増えた。そんなモーニングの「青筋」復活は、過去オールスターに7回、最優秀ディフェンス賞に2回選ばれたどう猛なモーニングが復活した証でもある。

 昨季、あと一歩でNBAファイナル進出を逃したヒートだが、今年夏さらに大型補強、シーズン前の予想では多くの専門家が優勝候補にあげていた。開幕2戦目に大黒柱のシャキール・オニールが捻挫で長期戦線離脱、黄信号がともったところを救ったのが、腎臓移植後自己最高の平均29.3分に出場、リーグ首位の一試合平均4ブロックと活躍するモーニングである。12月6日現在ヒートの成績はイースト5位の10勝8敗。決して満足できる成績ではないが、モーニングがいなければ成績は5割を切っていた。

 「10勝8敗の成績には満足できない。シャックがいないのはチームにとって痛いが、彼が戻ってくるのを待っていてはだめだ」とモーニング。厳しい言葉は彼の、チームへの期待の高さの表れである。

 オニールは12月6日から練習を再開、戦列復帰も間近だ。オニールが戻るとモーニングは彼の控えにまわるが、昨季のプレイオフで試した二人同時出場のラインナップを期待する声も大きい。明るく陽気なオニールと真面目なモーニング。オフェンスのオニールとディフェンスのモーニング。サイズのオニールとスキルのモーニング。

 13年前にドラフト1位(オニール)と2位(モーニング)で火花を散らした二人の対照的なベテラン選手がインサイドの核となればこそ、ドウェイン・ウェイドら若手選手たちも活躍できる。

 今のモーニングの目標はただひとつ、悲願のNBA優勝だ。その夢を果たしたとき、こめかみの青筋は病気に負けずに努力し続けた彼の勲章となる。

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