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パンクラスが再出発。
新たなブームを作れるか? 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2008/10/09 00:00

パンクラスが再出発。新たなブームを作れるか?<Number Web> photograph by Susumu Nagao

 旗揚げから15年、パンクラスが大幅なリニューアルを果たす。まず東京の拠点だったP's LAB東京が自前の道場から大手の一般ジム内に移転する。これに伴い、道場2階にあった事務所も近々山手線沿いに引っ越す。フロントの人事異動もあるようだ。それを暗示するかのように、最近は今までNo.2だった坂本靖常務が表舞台で代表コメントを出す機会が多くなってきた。

 船木誠勝と鈴木みのるを2大エースにパンクラスが旗揚げした時のインパクトは強烈だった。まだPRIDEもスタートしておらず、K−1も産声をあげて間もない時代、プロレスラーが当たり前のように真剣勝負を繰り広げる空間は一種独特の緊張した空気に包み込まれていた。勝ち負けより、ガチンコをやるという生き方そのものが賞賛されたのだ。'90年代、間違いなくパンクラスは格闘技界の一流ブランドだった。

 しかし、船木が2000年のヒクソン・グレイシー戦を最後に引退。首に爆弾を抱えた鈴木もプロレスにUターンすると、パンクラス内のムードは徐々に変わっていく。プロレスラーが総合をやる団体から、生粋の総合格闘家が総合をやる団体への移行は時代の流れだったと思うが、船木&鈴木に代わる絶対的スターの不在は大きな痛手だった。PRIDEなど地上波テレビをつけたイベント型のプロモーションが増えてきたことも、基本的に衣食住を保障しながら所属選手を多く抱えるパンクラスにとっては逆風となった。

 一時代を築き上げたパンクラスを巣立った格闘家は多い。菊田早苗、郷野聡寛、三崎和雄らのGRABAKA勢、突飛なパフォーマンスで人気のミノワマン、一昨年大晦日に引退した須藤元気らがそうだ。この団体がなければ、現在の日本の総合格闘技界は成り立たなかったといっても過言ではない。

 現在のパンクラスは徹底した合理化を推進しているように見える。とはいえ所属選手制度は残っている。近藤有己や北岡悟のように所属選手ながら他団体を主戦場にする者も出てきた。プロ選手の練習場となっている横浜道場も存続の意向だ。古き良き時代のシステムを残しつつ、新たなアクションも試みる。大変なのは大手プロモーションだけではない。変わらなければ、老舗も生き残れない。

■関連コラム► 全日本を盛り上げる、船木誠勝のプロレス復帰。 (09/10/07)

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