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リーダーの自覚を持つ、ブランドに飛躍の予感。 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

posted2005/11/10 00:00

 「エルトンは首が短いんだ」

 エルトン・ブランド(ロサンゼルス・クリッパーズ)がドラフト1位でシカゴ・ブルズに指名されたとき、当時ブルズのGMだったジェリー・クラウスがしきりと力説していたのを思い出す。首の長さが選手を評価する材料になるとは考えたこともなかったので、妙に印象的な言葉だった。首が短いということは身長の割に肩の位置が高く、その分リーチも高く、身長以上のプレーができるというのがクラウスの持論。203cm、パワーフォワードとしては身長が低いと批判されていたブランド援護のコメントだ。

 実際、ブランドはNBAに入って6シーズンの間20&10(平均20得点、10リバウンド)の安定した活躍で不安をふき飛ばし、2002年にはオールスターにも出場。いつの間にか「背が低い」と批判する声はなくなっていた。ただし腕も人一倍長いので、首が短いことがどれだけプラスになっているかはわからないが。

 そんなブランドが、今季はリーダーとして、チームとともに飛躍しようとしている。新人時代からリーダーとして期待され、傍から見ればこれまでも十分その役割を果たしていたと思うのだが、本人にとっては十分ではなかったらしい。

 昨季終了後、ヘッドコーチのマイク・ダンリビーとのミーティングでブランドはシーズン中に自分のミスで負けた3、4試合について言及し、「リーダーとしてまわりの選手に言うべきことを言えるようにミスをしない選手にならなくては」と言ったという。ダンリビーは「私は彼のミスなんてとっくに忘れていたのに」と、彼のプロ根性に驚く。

 10月のキャンプでは、毎朝ほかの誰よりも早くコートに来ていた。「練習が始まる1時間前(8時)にはコートに来てシュート練習をするようにしているんだ」とブランド。「みんなにも早くに来て練習してほしい。僕がやっていれば、みんな同じことをしたくなるかもしれないからね」

 チームには新たにベテランのサム・カセルとカティーノ・モブリーが加わった。ブランドも「リーダーは一人ではなくて複数いたほうがいい」と二人を歓迎する。新加入二人はうるさいくらい口が立つベテラン。対して不言実行のブランド。うまくバランスが取れれば、念願のプレイオフ出場も夢ではない。

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