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史上最高額を引き出した
敏腕代理人の心遣い。
~C・ロナウド移籍の立役者~ 

text by

豊福晋

豊福晋Shin Toyofuku

PROFILE

photograph byUniphoto Press

posted2010/02/12 06:00

史上最高額を引き出した敏腕代理人の心遣い。~C・ロナウド移籍の立役者~<Number Web> photograph by Uniphoto Press

昨年、ロナウドの故郷マデイラ島で、彼とその家族とともに休暇を楽しむメンデス氏(左)

 昨年の大晦日、ポルトガルのABOLA紙が表彰する「2009年のひと」に、ある意外な人物が選ばれた。

 ジョルジュ・メンデス。ポルトガルだけではなく、恐らくは現在、サッカー界で最も影響力のある代理人だ。

 昨夏にはC・ロナウドをサッカー史上最高額となる129億円で、レアル・マドリーへと移籍させた。ジョゼ・モウリーニョを世界最高年俸(15億円)でインテルの監督に就任させたのも彼だ。

 通常は選手や監督が受賞するものだが、同紙は選出理由を“ロナウドの移籍をはじめ、ポルトガルサッカーを世界に広めた功績による”としている。

「ビッグクラブへ行きたいならメンデスと契約しろ」

 時間を問わず鳴り響く3つの携帯電話を手放さない。世界中を飛び回り、睡眠は1日4時間。モットーは「今日やれることは全てやる」だという。昨年はロナウド移籍だけで10億円以上を稼ぎ、年収は20億円を超えるともいわれる。

 そんなメンデスはいま、選手の間で引っ張りだこになっている。

 ロナウドを筆頭に、デコ、シモン、ナニ、ぺぺら、現ポルトガル代表の主力の大半が彼と契約しており、“ビッグクラブへ行きたいならメンデスと契約しろ”との声は、今や欧州だけでなく、ブラジルなど南米選手の間にも広まりつつある。

選手の将来を第一に考え、信頼関係を築き上げる。

 しかし人気の秘密は、大型移籍を次々と成立させるその腕前だけではない。ロナウドは次のように語っている。

「選手と代理人という関係の前に、僕にとってジョルジュは誰よりも信頼できる友人なんだ。アドバイスもくれるし、辛い時もいつも側にいてくれる存在だ」

 メンデス自身も、かつては無名の選手だった。人目に触れずに引退後、バーやレンタルビデオ店を経営。ある時、ポルトガル北西の町ギマラエスの小さなバーで一人の選手と出会い、移籍を手伝ったことで代理人の世界へと進むことになる。

「選手たちは自分の家族のようなもの。金儲けではなく、何よりも彼らの将来を考えて動くようにしている」

 選手時代の経験、そして引退後の経営者としての社会経験が、メンデスの現在の成功に繋がっている。

 無名選手から欧州サッカー界を動かすスーパーエージェントへ。メンデスの存在は、引退後の選手にとっても一つの目標となるかもしれない。

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