野球のぼせもんBACK NUMBER
サファテ離脱で5年目ドラ1の出番。
馬原孝浩の14番を継ぐ加治屋蓮。
posted2018/04/25 08:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
強大無比のクローザーまでいなくなってしまった。
ホークスの故障禍が止まらない。4月18日、デニス・サファテが出場選手登録を抹消された。その公示が出た15分後、ヤフオクドーム一塁側ダグアウトの裏側にある素振り部屋に報道陣が集められた。サファテ自ら事情を説明するというのだ。
練習用のシャツ姿で我々の前に現れた守護神は、7日に仙台で登板した後に右股関節に少し強い張りを覚えたことを明かしたうえで、10日の試合前練習をキャンセルした際に病院へ行ったが、他球団に知られるのを防ぐためにアレルギー(花粉症)だと嘘をついたことを詫びた。
「もし相手に知られたら、バントなどで攻められてしまうと思った。自分のアイデアだったが、嘘を伝えたのは申し訳なかった」
岩嵜、千賀ら以上に痛いサファテの不在。
助っ人ながらチーム内からリーダー格として信頼を集める男は、我々報道陣にも普段から誠実に対応をしてくれる。サファテを責める声など一つも上がるはずもなかった。
その後福岡を離れた。アメリカに戻り、股関節の名医によるセカンドオピニオンの結果を受けて今後の方針を決めるという。場合によってはかなり長期の離脱も覚悟しなければならない。
セットアッパーの岩嵜翔が12日に右肘手術を受けたばかりだった。こちらは復帰まで3カ月の見込み。8回と9回を投げる投手が一気に戦列から姿を消したのだ。今年は捕手に故障者が相次ぎ、開幕投手の千賀滉大や正外野手の中村晃もアクシデントに見舞われたが、ブルペンリーダーの離脱が何よりの痛手だ。彼らこそが間違いなくホークスの屋台骨である。
とはいえ、嘆いていても仕方ない。時間は待ってくれない。「他の選手にとってはチャンス」と監督やコーチは口をそろえる。重々承知だ。だけど……。